『君の名は。』もうひとつの御神体モデル?
池ヶ原湿原は北飛騨の標高千メートル弱の山上の広闊なくぼ地に形成された湿原。新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』の「御神体」のモデルではないかと、ファンのあいだで噂される隠れ聖地でもある。もっとも御神体モデル論に関しては、長野県の八島ヶ池(八島ヶ原湿原)という有力な聖地があり、当ブログでも検証を紹介したことがある。
池ヶ原湿原は人里離れた深い山中にあり、人工物といえば数本の林道が通じるだけで、「飛騨」という立地以外には特段、モデルといえそうな景観なり事物なりを実感できるわけではなかった。
御神体のシーンで、クレーター状の湿原に流れるせせらぎが映るが、それがちょっと似ているというぐらいか。映画に出てくるような中央の巨石も、湿原に点在する岩も存在しないし、クレーター壁に囲まれているような閉塞感もない。
ところが、このモデル論は景観とは別のところで驚きの説得力を放つ。
bunbun.hatenablog.com
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映画の隕石落下シーンで糸守湖を超高度から俯瞰した場面が、Googleアースでの池原湿原の3D航空写真とぴたりと一致する部分があるのだ。
ただ映画内の糸守湖は湖畔に鉄道の通る町を抱くなど諏訪湖をスケールダウンしたと考えられ、周囲にはほとんど山林しかない池ヶ原湿原の立地とは大きく異なる。
高高度上空から糸守湖を俯瞰する絵を描くにあたって、便宜的に飛騨周辺でクレーターを配しやすい地形をGoogleアースで探し、参照したというのが実際のところではないかと思った。
ということで、特に池原湿原にあえていうほどのモデル要素があるとは思わなかったが、この一致を見つけたファンの緻密な解析熱には感服である。
さて現実の湿原内には、せせらぎに結ばれたいくつもの池塘があった。なかにはイワナらしき魚の魚影も見えたが、警戒心が強く、確証を得られるような撮像は得られなかった。
湿原内は禁漁区。
湿原を水源とする宮川は釣りもできるが遊漁料が設定されている。(参考写真あり)
湿原入口には立派な舗装駐車場、トイレ、案内板がある。アプローチ路となる林道は舗装1.5車線。酷道ではないが距離が長い。冬期閉鎖。


マークした場所は駐車場(トイレあり)