水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

天神山池(岡山県井原)

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左下の集落から谷に沿って目線を駆け上がらせると池が! すごい立地。池まわりの地形がカッコよすぎてポスターにしたいぐらい。池の水の受益地ははるか下。麓から上っていくとなると管理は大変そう。

天神池とも。
明治時代起工、大正時代竣工という点、記念碑と水神祠の形態など、隣の谷筋にある大正池やその隣の泉谷池とほぼ同じ構成であり、三つともにハイダムスペックの溜め池。
泉谷池が集落と同じ標高、大正池は谷を少し上ったところという立地だったが、天神山池はぐるりと山を捲いて上った先にある。
アクセス路は舗装路だがところどころかなり狭く、ちょうどガードレールのない場所で軽トラと鉢合わせし離合できずにバックしてもらったが、じつに慣れきった動きだった。
がんばって上るとご褒美のように池が優雅な姿を現してくれた。立地も含めて壮大な威厳をまとった池だが、意外にも取水設備は旧式で、左岸側の岬の先端に据えられているため、開閉作業のためには岬を上り下りする必要もあり、転落の危険も。
駐車スペースあり。

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風呂栓タイプの斜樋。こんな原始的な取水設備では麓から遠隔操作するわけにもいかない。麓の農地に水を流すためには、わざわざ山を上ってここまで来て栓を抜く必要があり、とても大変そう・・


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堤体天端に配されたベンチのようなものは、じつは古い石製の樋。こういう再利用はステキ!
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堰体の基部に法止めコンクリートが施工されており、コンクリートダムの上にアースダムがのっかっているように見えなくもない
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