にほんの里100選。祝島の溜め池
瀬戸内海に浮かぶ祝島は、にほんの里100選に選定。山口県室津半島の先端、室津港から30分の船旅。
カタイため池は標高300mほどの山肩にのっかっている。山腹ではなく稜線鞍部にあるので、パイプラインを使えば島のどの方向にも送水できそうな立地。空撮写真からはウーロン茶系ステインな水質と、取水用の斜樋も確認できる。
カタイため池の名称は、近くにカタイ遺跡があることにちなむものと思われる。
池へのアクセスは行者堂のある山頂の方向をめざしていくとよさそうだ。ルートは掲載した案内板参照。Googleマップには道は出ていない。
祝島、もうひとつの溜め池
島の案内板には、もうひとつ「北野ため池」という池が島北部に記載されている。航空写真でつぶさに見てみると、どうやら干上がっている池跡らしきものがあった。一方、案内板には出ていないが三浦湾に差し出された棚田の袖、海岸から30mほどの場所に直径30mの円形をした配水池のような池があった。天蓋はなく上水道用ではなさそう。
これらの池や畑、棚田を見てまわるには小さな島とはいえ、帰路の船の時間の関係であわただしく、少々、心残りなものになってしまった。コロナ禍が収束したら、ゆっくり一泊して離島旅情にまみれてみたいと思う。
この美しい海をはさんだ対岸側の原発建設をめぐって地元が二つに割れていることは後から知った。
南岸路を歩く
急斜面での営農が観光名所となった「平さんの棚田」までは南岸路を歩く4kmの道のり。海岸からずいぶん高いところを舗装された細道がつづく。
池と地形
山頂近くで標高は300m近い。稜線上の鞍部にあり、南側を土盛りの堤で堰いているダム式の溜め池。こんな場所に、よくこれだけの池が造れたと感心する。
南岸側には池からの流れ出しと思われる沢筋もあった。沢には石積みの補強も見られた。撮影地点から池までは直線距離で400mほど。
島の集落
石積みの練塀(ねりへい)が特徴的。島全体が山のような地形なので集落は緩斜面を利用している。
島へのアクセス
室津半島先端の室津港か、陸路で渡れる長島からも祝島行きの高速船に乗れる。ただし2021年2月現在、コロナが収束するまではレジャーでの渡航はできない。