永遠に袂を分かつ運命の池
日本列島どまんなか、太平洋と日本海の分水嶺に位置する標高900mの「ひるがの高原」は幹線国道と高速道路が南北に貫いているのでアクセスもしやすい。位置としては世界遺産で知られる白川郷からさらに上った最上流部。
中京圏と富山圏を潤す水が、この地にその端を発し、北に行くか南に行くかを定める・・まさにそんな場所に池が造られ、吐き出しが二股に分かれ、こちらは日本海、あちらは太平洋と、流れの方向が記されている。
案内石碑の文面に「西方にそびえる1,709メートルの大日嶽の山腹を縫ってくだる清流はこの蛭ヶ野峠において永久に袂を分かち・・」とあり、永久に袂を分かち、の下りにしみじみ。
人工的な造作の池なので、本当にここが長良川と庄川という南北の大河の袂を分かつものなのか確信はもてないが、分水嶺の意味をビジュアル化した点において、とてもおもしろい池だと思った。
日本海側に流れた水を手ですくい、太平洋側にこぼす。大河の水も一滴からではないが、今、永遠に袂を分けたはずの水の運命を大きく変えた。
駐車場、トイレあり。地域スーパーマーケットやレストランなどが隣接。
マークした場所が駐車場。