水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

亀の蛇原(石川県輪島)

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亀の蛇原。
変な名前であるが、れっきとした溜め池の名ということになっている。輪島市のため池ハザードマップにこの名で出ている。同ハザードマップでは「池」「堤」などを省略しているきらいもあるので、あるいは亀の蛇原池なのかもしれないが、それにしたって不気味な名であることに変わりはない。
一方、令和のため池新法によってデータベース化された全国18万の溜め池たちの登録名は、基本的に管理者や水利関係者からの申告によるものなので、正式な名なのか通称なのかまでの検討がシビアに行われてはいないようだというのが、現場をまわってきた私の印象である。
もっとも、亀の蛇原が能登半島・輪島の里山を長年潤してきたという事実に変わりはない。
里を見おろしつつも、谷に塞がれずにあっけらかんと穿たれた池は、そのマディーな水の色といい、不思議オーラをたたえている。その魅力は空撮によっていっそう引き立った。
ただアプローチ路や堰体はやや荒れ気味で一部はヤブ漕ぎ状態。管理者の高齢化や後継者不足などで池のメンテが手薄になると、すぐにこういう状態になってしまう。どの池も誰かがその重労働を担っていることを痛感する。

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クルマを停めて徒歩で進む。ヤブ漕ぎ状態。


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このアングルからだと堰体の状態などがよく見える
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池の下は耕作放棄地が多く、現役の農地はわずかだった