湖の名を持つ極小の池
熊本市は水道水源をすべて地下水でまかなえるほどの湧水の町であるが、なかでも海岸を走る国道沿いの町はずれにあるこの池は地域の誇りの名水を産している。
というのも1872年、明治天皇が九州巡幸の際に、わざわざ舟で運んでまでしてこの池の水が献上された逸話がある。天子さまに献上された水ということで天長水、池を天水湖と呼ぶようになったということであるが、「湖」とはかなり大げさ。でも天皇に献上しただけに「池」とは言いにくかったのだろうか。
それはともかく、この池の水は長く生活用水、かんがい用水に利用されてきた。
駐車場はないが、道をはさんで向かい側に自販機の駐車スペースがある。
「湖」の名が付いた極小の池
湖とは本来、「水の海」が語源であり、ある程度の規模と深さ(目安としては平均水深5m以上)があることが条件。
それでも天水湖ほど小さい池を「湖」と呼ぶ事例は全国的にはないわけでもなく、極小の「湖」の代表例は静岡県の須津湖(すどこ)だろう。