水辺遍路

実踏・日本の湖沼 8,450湖

佐須ダム(長崎県対馬)

f:id:cippillo:20201026120342j:plain
対馬唯一のヤマメ生息河川だけに、このダム湖には誰も見たことのない対馬サクラマスがいる可能性も?


長崎県のオフィシャルサイトドメイン内のコンテンツ「ながさき水源の森」の中で、「佐須ダム」の名が記されているほか、2020年時点のGoogle マップではインレット左岸側に「佐須ダム公園」なるものも記載されている。
佐須川は対馬では唯一のヤマメとアマゴの生息河川との報告もあり、本土から持ち込まれ放流されたものと思われるが、ヤマメ類が生息するに足るじゅうぶんな水量がある渓流が他にないことから、この水域だけに放流ヤマメが定着した可能性はありそうだ。

 

現地での想定外

しかし現地に赴いたところ、公園らしきものは見あたらず、堰体に嵌め込まれたプレートには「佐須川砂防堰堤」と記されていた。
対馬では砂防堰堤タイプの小規模水道水源ダムが現役稼働していることもあり、ここ佐須ダムも同じタイプのものだと思っていたが、この堰体には取水ゲートを操作するハンドルがない。
対馬市の水道水源である鳴川ダムと比較してみると分かりやすいと思う。

f:id:cippillo:20201026120447j:plainf:id:cippillo:20201026120420j:plainf:id:cippillo:20201026120510j:plain
bunbun.hatenablog.com


 

県と市の資料で食い違い

対馬市水道局が公開している資料「令和2年度対馬市水質検査計画」には、佐須地区の水道水源について「佐須ダム」についての言及が見あたらない。
これはおかしなことだ。長崎県の資料と対馬市の資料とで食い違いがある。
以下は、県の「ながさき水源の森」から引用。

「シワカウ川」、「日掛川」二つの流れが合流し、佐須川となり「佐須ダム」に貯水され、下流域の農業用水、水道水として佐須地域区民に供給されています。

一方、対馬市の資料ではシワカウ川表流水から佐須浄水場を経て佐須配水池、佐須新配水池という上水道供給の流れが明示されており、「佐須ダム」は出てこない。
水質の問題から上水道用として使われなくなった可能性もあるが、どこかに取水設備の痕跡はないか探してみると、道路沿いに水道管らしきものがあった。ただ、この管は池の中ほどで草に埋もれて、接続先をたどることができなかった。

f:id:cippillo:20201026120453j:plain
ダム湖畔の水道管。下右の写真の位置で草に埋もれ見失ってしまった。
f:id:cippillo:20201026120502j:plainf:id:cippillo:20201026120521j:plain


 

対馬サクラマスを狙って釣査

枯れ沢となる川が多い対馬にあって、唯一、豊かな清流をもつ佐須川は、対馬唯一のヤマメ生息地でもある。
といっても佐須川でさえ中流域で枯れ沢に近い状態になる。本土や北海道において渓流に生まれたヤマメが降海、スモルト化して巨大サクラマスに成長するようなことは起こりにくそうだ。
ただ、ダム湖を海と間違えて、そこそこ巨大化するものもいる。陸封サクラマス。
そんな佐須川でダム湖といえるのは、ここ佐須ダムぐらい。となれば幻の対馬サクラマスがいる可能性があるとすれば、ここ?
もっとも池のスケールが小さいので、本土の巨大ダム湖ような陸封サクラマスはのぞめないが、尺上(しゃっかみ)ぐらいの大ヤマメでも出てくれれば言うことはない。
ただ堆砂が進んだ池は水深も浅く、大型魚を育てるキャパシティに欠けそうで、水面を動かす魚の動きも見られず、魚影は薄そうだ。それでも粘っていると竿が引き絞られた。ヤマメと思って喜んだが、きれいなウグイでヤマメではなかった。
その後もヤマメには会えなかった。次回は上下の渓も含めウェーダー持参でフライフィッシングをやってみたい。

f:id:cippillo:20201026120430j:plainf:id:cippillo:20201026120410j:plain


f:id:cippillo:20201026120310j:plainf:id:cippillo:20201026120333j:plainf:id:cippillo:20201026120319j:plain


f:id:cippillo:20201026120400j:plainf:id:cippillo:20201026120259j:plain
ダム下流側の佐須集落はかわいらしい田園地帯
f:id:cippillo:20201026120246j:plain


 

Google マップ

ピンの位置がオカッパリポイント。