いやはや、圧巻のスケール。さすが道北の天然湖沼。
長沼という名の池は全国に多しといえども、これはホントに長い。湿原と沼とが5km近くにわたって連なっている。
北側にあるジュンサイ沼と合わせれば10km近い。さらにこの長い池は切れたりつながったりしながら南側のサロベツ原野にも食い込み、全長20kmにわたって海岸線と平行に一直線に横たわっている。
長沼はよく見ると水面の高さの異なる三列の池群で構成されている。
上段は原生林に取り囲まれて、ぽつ、ぽつと沼がつづく。
中段は湿原化が進み森林が迫って水面が少ない。
下段だけが、一本のまっすぐな川のように水面がのびている。
海岸沿いの宗谷サンセットロードの延々たる直線を走っていると、陸側にはずっと段丘がつづいているようにしか見えない。道から一度も沼は見えないので、丘の上に長大な沼があるとは知らずに、海上に浮かぶ礼文島ばかりに気をとられていた。
さてアプローチ路といえるようなものが見つからない。
いったいどんな事情でこんな不思議なスタイルになったのか、水源はどこなのか、疑問は尽きない。