水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

ジュンサイ沼(北海道豊富)

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ジュンサイ沼と海上に浮かぶ礼文島

海岸線と平行にのびる段丘上の天然湖沼。南側の長沼と同じラインに並んでいる。単体の沼としてなんと2.5kmもの長さがあり、ジュンサイという名をもつ池では日本最長であろう。
湖面の周囲は湿原が取り囲み、さらに原生林が遠巻きにしている。湿原の一部に樹木帯が浸食しているのも見える。
ジュンサイ沼という名は北海道では複数見られるが、中にはジュンサイが絶滅してしまった池もあるそうだ。
北海道のジュンサイ沼について記された論文を下に引用する。太字は当方で施した。

これに対して、道内で はジュンサイは広く分布しており、七飯町における尊菜沼以外に、道北地方ではサロベツ原野のジュンサイ沼(豊富町)、道東地方では霧多布湿原のジュンサイ沼(浜中町)幌向奪菜沼(岩見沢市) など、「ジュンサイ沼」と呼ばれる沼は道内各地にみられる。根釧原野の茨散沼(別海町)及び兼金沼 (別海町) 、十勝川河口湿原のキモントウ沼 (大樹町)、美唄原野の宮島沼(美唄市)などにも自生しているが、幌向奪菜沼及び宮島沼では絶滅した。これらのうち、ジュンサイを管理して販売しているのは、現在のところ七飯町の尊菜沼と大樹町のキモントウ沼のみで、いずれも漁業協同組合が漁業権を設定している。なお、1990年には北檎山町(現在はせたな町に合併)で新しい地域特産品開発として休耕田を利用したジュンサイ田の造成が行われたが,その試みはその後頓挫した。
(「渡島奪菜沼におけるジュンサイ生産の現状と問題点」水越亨(北海道立道南農業試験場)2009)


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樹木が湿原を浸食しはじめている。沼へのアプローチ路は不明だが、湿原を人か獣かが通った痕跡のようなものが幾筋も見える
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