水を汲むための井戸ではなく、水を逃がすための井戸。
調節池とセットで都市を洪水から守るための施策として行われているのが貯留浸透事業。
都市化はいわばコンクリート化。降った雨は土中に浸潤することなく、短時間で河川に流れ込み、いとも簡単に洪水を引き起こす。
防ぐためには、一軒一軒の家が、学校が、ショッピングセンターや公共施設が、おのおののキャパシティのなかで雨を土中に逃がす小さな努力をかさねるしかない。
そんな営みが、貯留浸透事業ということだった。
一方、都市生活において、私たちがその恩恵を感じることはおろか、存在さえも気付かないことが多いのではないか。
これまで7千を越えるさまざまな池を自分の目で見てきたが、ここ所沢航空公園に立っている説明看板に出会うまで、「貯留浸透事業」という言葉を意識したことはなかった。
さて案内板によれば、貯留浸透設備が二ヶ所、北駐車場の南側あたりにあるようだ。歩きまわってみたが、それらしきものは見あたらなかった。地下に埋設されているとはいえ、マンホールの蓋か何か、設備のヒントになるようなものがありそうなものだけど。
マークした場所は駐車場。