水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

ノラクロ池(山形県酒田)

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上の写真は、カヤック体験のできる新溜というため池の堰体前に立っている案内標柱である。「ノラクロ池 0.4km」と記されている。ノラクロ池?
標柱の裏側を見ると、環境庁と山形県自然保護課の連名。けっしておふざけではない、大真面目の標柱のようだ。

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1.5車線路を400mほど歩いていくと、褐色に濁った小さな池があった。
池まで行けば何かしら、ノラクロ池に関する何らかの説明や案内があるかと期待していたが、そのようなものは見あたらない。確かに距離にすれば400mほどだったと思うが、果たしてこれがほんとうにノラクロ池なのか・・。

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どうにも尻切れとんぼで中途半端な案内とはいえ、「ノラクロ池」へと導く標柱を環境省と県がわざわざ立てた意味はどこにあったのか、興味は募る一方である。そして、なぜにノラクロ池なのか・・。ノラクロといえば第二次大戦のころにアニメ化もされた日本の漫画キャラクターというぐらいしか知らない。

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あとになってから、航空写真を確認してみると、この赤水の池の奥にもうひとつ、ひとまわり大きな池があった。地図にも記載されていなかったし、現地では木々に阻まれて気づかなかった。
その池の形を見たとき、やられた、と気づいた。ノラクロ池はおそらくそちらの方である。
航空写真の中でその池の形状は、二本の耳をぴんと立てたノラクロの輪郭を想起させた。みごとなものだった。

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新溜の堰体横にあった小さな池はヒシモで水面の半分ほどが覆われてはいたが、ノラクロ池と似た水の色だった。一帯の土質に起因するようだ。
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マップの中心あたりに当該の池がある。Googleマップでは池としての記載はなく、航空写真に切り替えることで池を確認できます。