長井ダム。
水没ダムが眠る豪雪地帯の人造湖。
ながい百秋湖は、東北屈指の大型コンクリートダムである長井ダムによって堰かれた人造湖。湖のまんなかに竜神大橋が両岸をつなぐ。
この橋を渡ると、歩道の一部に鉄製の窓が設けられているのに気づく。真下をのぞくと湖面が見える。それだけなのだが、静かな水面の下には水没ダムとなった管野ダムが今なお眠る。
長井ダムの湛水が完了するまでは、この橋の直下に管野ダムを見おろすことができたので、日々沈んでいくダムをなごりを惜しんで見守った人もいただろう。
管野ダムは厳しい崖が迫る豪雪地帯の秘境ダムであったが、国営の長井ダム落成とともに走りやすい二車線道路が通じ、今ではマイカーで気軽にアクセスできる場所になった。
それでもダム湖インレット側から先は険しい昔ながらの姿が健在であり、ボートスロープのある合地沢湖面広場からは「卯の花姫」の伝説の残る高さ40mの断崖がつづく神域の秘境「三淵渓谷」へのボートツアーも出ている。
上流部の渓は秘境イワナの宝庫のようだが、厳しい地形だけに釣りの方も気軽にとはいかない。道路もダムインレットから先は狭く険しい。
また、長井ダムの完成した2010年は、長井の町は熊の害に怯えた年でもあった。計5名が次々と襲われ重軽傷を負う事件があったことを『クマ問題を考える』(田口洋美著)で知った。
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マークした場所は竜神大橋たもとの駐車場。