その妖艶さ、九州一の庭園池。ライトアップも見逃せない。
佐賀のみならず九州屈指の池泉回遊式庭園において、主役こそ武雄のシンボルとして親しまれている御船山(標高210m)に譲るとして、庭園の価値を決定づけるに足る重要な役割を担っているのが鏡池。
いやはや房総半島の野池を思わせるみごとなまでのウグイス色マディーな水質は、演出なのか偶然か、とくに桜と新緑に彩られる季節には「水ぬるむ」感じが後ろに控える奇岩の山の重しとなってじつにいい。
武雄は溜め池の多い地域で、近くには全国ため池100選の池の内湖もあるが、この鏡池は造園による庭池であろう。水の流入口としては岩山から下る沢がインレットになりショウブ群落もあるナイスキャスト。
池のほとりには茶屋が立ち、御船山へと立ち上がる斜面には二千本の桜やもみじにが季節の装いに包み込む。かたわらには2千本のツツジが植えられた「つつじ谷」。岩山へと登っていくと岩をくり抜いた五百羅漢。入園料400円が安く感じるほど散策しがいのある園地だった。
国の登録記念物(名勝)。
桜や紅葉のシーズンには夜間ライトアップも行われる。
武雄温泉や池の内湖と合わせてじっくり楽しみたい。
池畔の茶屋。
もはや軽登山。山腹の茶屋と展望台。
岩窟にたたずむ五百羅漢。
2000本のつつじ谷。
池のインレット。
正面の冠木門と駐車場、案内板。
目をみはる地形。
もともと武雄は素晴らしい野池が多かったことから大好きになったところですが、今回、御船山楽園の鏡池に行って、その絶景とライトアップといったエンターテイメント性に驚きました。
近くには、ため池でありながら親水公園としても成功している池の内湖があり、多くの家族連れでにぎわっている様子を見て、うれしくなりました。
そんな武雄ですが、野池の方では少しずつ釣り禁止などが増えているのを感じます。バサー名指しの警告看板などもあり、迷惑駐車やゴミの問題は深刻なようです。