昔はこんなすごい池とは知らず・・
お恥ずかしい話、正直言うと、この池の横を何十回、素通りしただろう。
昔、ここはよく通っていたトラウト管理釣り場のすぐ隣にある池だった。ただ広いだけで底が見えるほど浅く、石造りの石碑があったりしてどこか気味悪かったので、釣り場への行き帰りに、ちょっと目を向けるぐらいで素通りするのが常だった。
じつはこれが「丸池」という、地域の水をめぐる営為の記憶をとどめた歴史ある溜め池だったとは思いもよらなかった。つくづくフシアナである。
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オープンソースインベスティゲーションで?
やがて管理釣り場は閉園となり、時代は平成から令和へ。
Google マップで池を物色していたある日、この懐かしの場所に丸池公園なるものを見つけた。はて? 丸池?
航空写真に切り替えると、例の浅い池のことのようだ。ちょうど池のまわりに重機が入って工事が進んでいる様子が写しだされていた。
ストリートビューに切り替えてさらにぐるぐる徹底的に細部を見ていくと、こちらの撮像の方が新しくて、なんと公園は完成していた。
そういえば昨晩、NHKのドキュメンタリーで知ったのだけど、こういう調べものは「オープンソースインベスティゲーション」というそうだ。
見まごうばかりの別人ぶり。
現地に行ってみると、完全に浦島太郎状態。
まるで別人。
富士山をバックに、中の島の白い社が水面に映りこむ。あいかわらず全体にわたって底が見えるほど浅いが、庭石のような大石が水面のとこどころから顔を出し、ところどころから水が湧き出す。もやもやと波紋が広がり、水の清らかさが強調されている。
魚影にヘラブナがまじる
鯉にまじってヘラブナの魚影がある。体高もサイズも申し分ないが、健康状態に少々問題を抱えているようにも見える。
そういえば魚が身を隠せるような場所がほとんどない。産卵できるようなアシ群落もなければ、草岸やワンド、木々のオーバーハングもなければ、深場に逃げるわけにもいかず、紫外線をつねに浴びる。体色が真っ黒なのもそのせいか。
ヘラブナは誰かが移流したものだろうが、遠からぬうちに絶滅しそう。
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公園池に進化、ではなく、農業用溜め池現役?
景観のいい池なのだが、溜め池としてはどこか不自然な気がする。
公園池に役割がアップグレードされたのなら分かるが、看板を見る限り、管理者は市の公園課ではなく「丸池かんがい用水土地改良区」。池名名指しでバリバリの農業用溜め池の現役感。
半世紀にわたる水争いと和解の歴史
丸池は戦国時代に築造された溜め池。
富士山の伏流水が豊富なイメージが強いが、池の水の権利をめぐって江戸時代後期から明治時代の和解まで半世紀におよぶ水争いの舞台となった。
池の中の島に立つ碑は、この長きにわたった争いと和解の歴史を後世に伝えるため、池の大規模改修と合わせて建立された。
駐車場、トイレ、レンタルサイクルあり。
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歴史ある溜め池でありながら、水を貯めるなら、なぜもっと深くしなかったのかとか、どこからどこまでが堤なのか、取水設備はどこにあるのかなど謎も多い丸池。
中でも気になったのはコレ。(写真)
池の中の島の足もとにあった。この標柱は何のためのもの?
水位を見るだけだったら、中の島ではなく岸側に立てた方が利便性がよさそうに思いますが。
bunbun.hatenablog.com
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マークした場所は駐車場(トイレあり)