水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

千頭ヶ谷池(静岡県牧之原)

せんずがやいけ。

空港の誘導灯の橋梁が景観上の特徴(2023年4月撮影)

「重要な里地里山」に選定

水ヶ谷池、赤坂池とともに環境省の「生物多様性保全上重要な里地里山」に選定。こういう環境で野釣りができるのは至上の悦び。
池畔の一角にある流れ込みには観察木道も設置された保全用のビオトープも設けられている。


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空港横ゆえの「ねじれ」空間にある野釣り場

静寂と轟音と

保全によって保たれた里池らしい豊穣さと、頭上にある空港の整然さがあいまって、時折、ウグイスと釣り人の声が水面を揺らすだけの静寂を打ち破って轟音とともに航空機が飛び立つたびに、何ともいえぬ空間のねじれのようなものを感じて不思議な気になる。
下の写真では、ワンドに釣り師の姿も見える。

左岸側に数ヶ所の固定釣り台

アシの生えたシャローエリアや木々のオーバーハング、水没した立ち枯れなど変化もあってワイルドな野釣り味。
左岸には固定ヘラ台が複数、設置されており、18尺で底4本分とじっくり攻めれる深さがある。
下の2枚の写真は同じ場所だが、2023年の左の写真では簡易階段が設けられている。右は2012年。



左岸奥

ゲートがあるものの地元釣り師用(?)に迂回用のハシゴがかけられていた。右岸の山腹からしか見えないプライベート感の高い釣り座。



堰堤側に移動式釣り台

移動式のヘラブナ釣り台も置かれていた。

釣りルール

下の写真は釣りのルール。ゴムボート禁止。

生息魚類(2023年釣査)

地元釣り師の話によるとバス、ギルの他、「半太郎」(半ベラのこと)、マブナも入っているとのこと。
2023年春の釣査では、エサを打ち始めてまもなく3尾の巨鯉が足もとにやってきた。かなりエサ慣れしている様子だった。一方、これ以外に目視できる魚は外来魚も含め皆無。雑魚として釣れた魚もなく、ヘラかマブナらしきモジリを沖目に数回目撃しただけ。


2012年の千頭ヶ谷池

半日粘ってわずかなアタリをもらったものの、ジャミも含めてハリがかりなしのみごとな坊主。



浜松に同名の野釣り池

静岡県浜松に同名の溜め池があり、そちらもヘラブナ釣り場になっていた。

小田原?

固定釣り台に使われているパレットに「小田原」の文字が。妙に親しみがわく。

 

池の設備

洪水吐と直下の調節池


堰体

堤高9m。天端は「空の道遊歩道」としても活用。

ため池救助ネット試験施工(2023年)

ため池救助ネットなるものは初めて見た。池から這い上がるためのものだろうか。
池のコンクリート護岸は意外に思うかもしれないが、万が一転落すると岸に上がるのがなかなか難しい。

千頭ヶ谷ビオトープ

「再生の森」として巨樹を伐採し落葉樹林を植樹。陽射しが差し込む明るい森にしたことで、沢をはさんだ谷戸地がさまざまな動植物のゆりかごとなった。



空の道・竹林コース

ビオトープが空の道と竹林の道の分岐点。登りつめると空港のある天面に。空港は標高120mほど。




駐車スペース

左岸側に数台分の駐車スペース。釣り人が利用する。

簡易トイレ

堰体右岸側に簡易トイレあり。



 

池の周辺

ダイダラボッチ広場(展望広場)

千頭ヶ谷池の上にある。
標高110mほど。駐車場、トイレあり。


牧之原台地

周辺には茶畑が多い。



 

地図

池さんぽマップ

現地周辺マップ

Googleマップ