【ほろまんこ。幌満川第三発電所ダム、幌満ダム、幌満川第三貯水池】
民間企業ダムとしては最大の貯水量
民間企業が管理するダムは全国に十数基があるようだが、ここ幌満ダムも新日本電工という会社が所有管理する水力発電用のダムである。
「幌満川第三ダム」という名が地図などに見られるが、現地では「幌満ダム」と「幌満川第三発電所ダム」の名で看板があったものの、「幌満川第三ダム」というのは見なかった。
また遊漁規則を記した看板に「幌満川第三貯水池」という表記が見られたが幌満湖の正式名称と思われる。この貯水池は民間のダムとしては最大の湛水量を誇る。
ダム前後の渓も含めてニジマスの好漁場で、川をのぞきこむと魚影も濃いが、漁業権が設定されている。
漁業権を持っているのは何とダム管理者の新日本電工。遊漁券は一日500円。鉄鋼や電力事業を手がける上場企業が、幌満川にニジマスを放流し、わずかな遊漁料を徴収しているというのも不思議な感じだ。
このダムの不思議は地形にもある。
ダムに至るまでのルートは幌満川に沿った長いダートであるが、岩がせめぎ合うような険しい峡谷が、このダムに至ると突如、雄大で緩慢な景観に一変する。
このギャップは、峡谷を形成していた固い幌満カンラン岩がここで尽き、ダム湖から先を包むのは、やわらかい変成岩や深成岩になるためだという。