水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

沈堕の滝(大分県豊後大野)


天然ダムのごとき名瀑は雪舟筆「鎮田瀑図」のモデル

室町時代の水墨画の大家・雪舟も描いた名瀑として知られる沈堕の滝(ちんだのたき)は、大野川の本流にかかる雄滝と支流の平井川にかかる雌滝が、まるでコンバインダムさながら。さらによく見ると雄滝の上に堰もあり(沈堕取水堰)、二段の滝のような珍妙な景観を生みだしている。


 

発電用ダムさながら。実際に水力発電所が

雄滝と雌滝の間には明治時代に水力発電所も造られ、滝が発電用ダムの役割を担ってもいた。この発電所の遺構が近代化遺産でもある石造りの沈堕発電所
太古の阿蘇山噴火が生み出した自然のダイナミックな造形と日本の近代化を支えた人工構造物との不思議なコラボ景観。
駐車場、トイレあり。




 

滝がダムになったり、ダムが滝になったり

全国に目を広げるとダムや砂防堰堤によってできた落水を「滝」に見立てた事例はままあるが、なかでも北海道のピョウタンの滝は「農協ダム」という別名もありユニークな出自を持っている。
一方、ここ沈堕の滝のように天然の滝をダムにしたものはレア。滝の高さは20mあるので、これはもう立派なハイダム。(※変わり種ダムとして当ブログでは特別に「ダムカテゴリ」に分類しています)

bunbun.hatenablog.com


 

案内板




Googleマップ

マークした場所はトイレ付きの駐車場。