【大柏川第一調節池緑地】
これまでたくさんの調整池を見てきたが、ここ千葉県市川に来て「調節池」と「遊水池」の二つの名をもつ池が出てきた。
北方遊水池と大柏川第一調節池という二つの名。「調整池」「調節池」「遊水池」はどう違うのだろう。読みは同じだが「池」のかわりに「地」をあてた遊水地もある。
洪水を防ぐために増水した水を一時的に貯留しておく、という役割においては遊水池も調整池と同じ。
いちばん大きな違いは、暫定的な池なのか、恒久的の池かという点。
恒久的な池の方は規模も大きく都市自体を守る役割が強いので管理者は河川管理者(行政)となる。恒久施設なので、平時は公園などとして開放される流れがある。
暫定的な池は開発主体(行政・業者)が設置を担うが、人為的なコントロールは行わず自然の流量調整に任せるものが多い。ほぼ管理レスなので厳重なフェンスで閉鎖するなど完全な立入禁止が多い。
市川はもともとは広大なアシ原と腰までつかる泥田。べちょべちょびちゃびちゃということは、逆にいえば高い貯水能力を発揮していたともいえる。これが埋め立てと市街地化で保水ができなくなり、冠水がたびたび起こるように。
遊水地の掘り下げを行うなどして、洪水調節池として2007年に開設されたのが北方遊水池。駐車場やビジターセンターが設けられ、自然観察や里山体験学習の場として活用されている。しかしひとたび洪水となれば話は別。この公園のルールには以下の一条がある。
「条例第5条の規定に基づき、公園の一部もしくは全域が浸水する
恐れのあるときは、公園全域の利用を禁止する 。」
マークした場所は駐車場。