水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

田谷地沼(宮城県加美)

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取水門側から見た田谷地沼。もともと天然の沼があったところに堤を築いたのではないかと思われる形態である

船形山北麓湖沼群のひとつで、池めぐりの拠点に最適の荒沢自然館の駐車場、トイレ、ビジターハウスが隣接する旗艦池。
火山性堆積物が主体の河岸段丘が多発する地すべりによって、天然の池沼や湿地の宝庫となった。一方、田谷地沼は昭和22年に築造された農業用ため池ということで、堰体や取水設備などの構造も確認できた。平成の改修時には貴重で豊かな生態系を保全する機能を池に担わせる工事が行われ、合わせて遊歩道や木道などの親水設備も設けられた。
遊歩道は池の水ぎわに対して遠慮がちというか、遠巻きに据えられている。水ぎわとの間には豊かな湿性植物が繁茂。とても溜め池には見えない天然沼沢の表情である。もともと荒沢湿地という湿原だったので、堤を造る前から池塘もあったことだろう。そういった意味では天然沼沢と人工池の両方の性質をもった池といえそうだ。


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堰体部。シンプルな土盛りに見えるが、平成時代に改修が入っていることから、あえて自然になじむ形態を残したのだろうか


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池畔の観察デッキでは、マムシが。至近距離でマムシを見たのは初めて


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遊歩道


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天然の沼沢と見間違えそうな豊かな植生


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池岸の高台に立つ荒沢自然館


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惚れ惚れするほど野性的な表情


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堤の左岸側にある取水部。掘り込まれ、水門が据えられている


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小さな洪水吐の横には取水ゲート。ハンドルでスライドゲートを上下して取水量を調節する。じつにシンプルな構造だが、唯一、人工池らしさを感じさせる部分である
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小さな洪水吐には、板を通して貯水量をカサ上げするためのスリットが設けられていました。
平時は水位を低くして荒沢湿原の植生を守りつつ、農繁期の必要時だけ水位を上げて貯水量を増やすための工夫なのかなと思いました。


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駐車場とトイレ


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案内板


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林道葡萄沢線との分岐点と、多くの沼の名が記された看板
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船形山麓湖沼マップ(水辺遍路謹製) 2019年9月に、北麓湖沼群を赤入れで追記。このマップもそろそろフルモデルチェンジが必要そうだ。


 
マークした場所は荒沢自然館の駐車場。