水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

相泊沼(北海道羅臼)

あいどまりぬま。

秘湖・相泊沼の姿を捉えた!(2023年8月)

知床半島・最果ての集落の上にある秘湖

もう30年近くも前になろうか。知床でも羅臼側、道が尽きる最果ての集落・相泊(あいどまり)にある一軒食堂「熊の穴」の店主が言った。
「熊が出るんでねえ。熊の住んでるとこに人間が出るんだ」
この店のすぐ横を流れるアイドマリ川の水源となっているのが相泊沼。知床半島において地理院地図に正式に沼名が記載されている七つの湖沼のひとつでもある。


1995年ごろの、熊の穴

「熊の穴」はその後改修されて少し大きくなり民宿も増設された。そのころに小学生の娘を連れて行った。ご飯よりイクラの方の量が多いイクラ丼に娘が目をまるくしていた。そんな思い出の店も、店主が亡くなり2011年に閉店したそうだ。
この食堂の裏手を流れる相泊川を源流まで遡ると相泊沼がある。滝を高巻きし沢を登り藪を漕ぐことでしか到達できない、真の秘湖である。まだ到達できていない池であるが、2023年夏、空撮によって相泊沼の姿を捉えることができた。

アイドマリ川の切れ込みが港から斜め左上に切れ上がっているのが分かる。その源流が相泊沼
秘湖


 

相泊沼へのアクセス

相泊沼に到達したことのある方のレポートによれば、そもそも国土地理院地形図の相泊川のところが間違っているらしく、地図読みとGPSだけでは到達困難だそう。そんなことってあるんだろうか。怖ろしいが、それぞ秘湖という気もする。
地図で見れば、相泊沼は熊の穴から直線距離で2km、湖面標高は400m強ではあるが、実際に遡行すればガイド級のベテランでも一日がかり。この沼より上に川はなく、水源は湧水とのこと。