水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

東雲湖(北海道上士幌)

しののめこ。

北海道三大秘湖のひとつ東雲湖。奥に見えるのは然別湖。

北海道三大秘湖&日本秘境100選!

火山由来の堰き止め湖である然別湖に対して、噴火口そのものの名残りである二つの爆裂火口湖(マール)が東西からはさむ地形が魅惑的。
西の火口湖である駒止湖に西小沼の別称があるのに対し、こちら東雲湖は東小沼との別称がある。
周囲長800m、最大水深2m、湖面標高810m。
東雲湖という名であるが実態は湖でなく沼というべきだろう。底に植物の死骸が積層し湿原化が進み、天然の池としては後期高齢期にあたる。
エゾサンショウウオ、エゾナキウサギが生息。
北海道三大秘湖のひとつ。日本秘境100選。

東雲湖の形態と景観

成因は爆裂火口湖(マール)

溶岩ドームを思わせる二つの山にはさまれた火口湖。隣にある然別湖は堰き止め湖。



然別湖との通水関係の謎

下の写真では然別湖との間にダムのような尾根によって隔てられているように見える。しかし地理院地図ではほぼフラットな谷部を沢が流れていて然別湖と東雲湖を結んでいることになっている。
なお二つの湖の湖面標高はデータ上はほぼ同じ810m。
実際に現地に立った感覚と空撮写真では地図が示すような通水関係が確認できず、再度、調査したいと思っている。



円弧状の細長い池

地図上では独立した池として記されている細長い池だが、空撮写真では東雲湖と通水していることが見てとれる。
一見すると流れ込みの沢のようでもあるが、池頭は草原の中に途切れており、上手の沢との通水関係は明瞭ではない。(地図上ではつながっていない)

水位と植生

水位はウキミクリなどが表面に達する程度の水深で安定しているようだ。湖面全体に抽水植物の進出が見られる。


湖岸の岩

噴火による噴石か、大きな岩がそこかしこに。
これらがこのエリアに生息するエゾナキウサギの住処になっているということだろう。



然別湖からの接続口

平坦な谷になっており、地図上では然別湖と東雲湖の接続水路がある。


湖岸形状

眺望スポット

833m地点

天望山の登山路(山腹側)から東雲湖を俯瞰できるのでオススメ。ここが一番バランスがいいかな。

890m地点

これより上の登山路からは東雲湖の展望なし。ちょっと標高が高すぎて湖が遠いようにも感じる。


士幌高原と東雲湖

900m南東に牧場管理道路が通っているが、東雲湖への道はない。



 

秘湖らしさは・・

北海道三大秘湖

オコタンペ湖(支笏洞爺国立公園)、オンネトー(阿寒国立公園)とともに「北海道三大秘湖」の一角をなす。秘湖といっても上記二つは湖が見えるほとりまでクルマが通れる道路が通じ、もはやこれを秘湖というのか微妙な気もする。


北海道のそれ以外の秘湖

北海道で他に秘湖と呼ばれるものに、シュンクシタカラ湖、チミケップ湖、霧立沼があるが、いずれも池畔あるいは近くまで車道が通じており、秘湖というにはもの足りなさも感じる。

東雲湖はスマホの電波も常時通じた

三大秘湖の中では唯一、クルマでは直接見えるところまでは行けない東雲湖であるが、スマホ(au)の電波は天覧山をまわってきても接続率100%だった。

アクセスはしやすく冒険要素はない

東雲湖からいちばん近い車路は東側の牧草地を通る林道で、池との最短部分は1km。西側の然別湖側の車路からの距離は3kmほど。
然別湖の湖岸沿いのルートで東雲湖までのハイキングコースが整備されており、徒歩で片道1時間45分。これがいちばん現実的なルートだろう。
ほかカヤックで然別湖を横断する方法もあるそうなので、一番興味深いルートだ。できればカヤックを使うしか到達方法がない池だったら、文句なしの秘湖だったのだが。
東雲湖の好眺望が得られるのは、池畔からさらに先に進み天望山登山コースに入って100mほど標高を上げた展望スポット。
レンタルカヤックで東雲湖に行くガイドツアーも用意されている。

秘湖らしいといえば・・

この東雲湖、何度行ってもいつも霧がかかってなかなかお目にかかれない。
やっと晴れ間をつかめた日には、一息入れることなく撮影に励んだ。やはり撮影を終えてわずか10分もしないうちに霧に隠れてしまった。
すれ違った地元の登山者に聞かれて東雲湖は見えたと言うと、ラッキーだったねと言われた。「霧の摩周湖」ならぬ「霧の東雲湖」といったところか。
下山すると然別湖は晴れていた。東雲湖はちょうど雲の通り道になっているようだ。なかなか晴れてくれないという意味では、秘湖っぽい部分ではある。

この牧草地の先、1kmの地点に東雲湖があるが、こちら側からのアプローチ路は見あたらなかった。



 

東雲湖へのアクセス

まずは然別湖へ

東雲湖に会うためには、まず然別湖に行く。

bunbun.hatenablog.com

白雲山登山口

然別湖畔の「湖底線路」なるSNS映えスポットに登山口駐車スペースがある。映え狙いの若者で賑わうので下山後は落ち着かない。
下の写真で左の道に行ってはだめ。右の道を進む。


然別湖の小ビーチ

然別湖の湖岸路を歩いているとビーチが現れた。カヤックツアーの上陸ポイントにもなっている。


カヤックツアーが見えた


湖岸から離れ両湖を隔てる谷へ

ここからはレインパンツかゲーターを装着したい。甘く見ていたら笹の朝露でシューズの中までズクズクになってしまった。


東雲湖の標柱

この標柱より少し登山路を進んで標高を上げると東雲湖が見渡せる。


GPSログ

白雲山登山口より然別湖岸を通って東雲湖入りし、天望山を経由で登山口へ戻った。


 

マップ

池さんぽマップ

2023年10月、ver. 1.2に更新。


Googleマップ

マークした場所が、東雲湖への登山口。