水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

雌阿寒岳の赤沼・青沼(北海道釧路)


百名山の頂上にあるツーカラーの山池

雌阿寒岳の頂上火口内にある二つの池。形態から火口原湖と思われる。
隣り合う火口の池だが、青沼と赤沼の名のとおり、航空写真で見ても色の違いがはっきり分かる。偶然か、この山の山裾にある銅沼(あかぬま)とオンネトー湖の二つも赤と青の水で対照的。
赤沼・青沼に会うためには活火山を登頂する必要があり、軽登山装備のほかヘルメットの着用がのぞましい。いつ行っても山頂に雲がかかっていたのでアタックをせずに撤収することが多かったが、2023年夏に山頂が晴れるまで粘ろうと思い臨んだところ、二度目のアタックで晴れに恵まれた。猛暑日であったが重装備の日本人と水着みたいな薄着の外国人登山客の服装の落差がすごかった。
日本百名山、花の百名山。

オンネトー湖から見た雌阿寒岳(2023年8月撮影)。山頂には雲がかかっている。

 

青沼・赤沼の形態と景観

色は対照的だが隣りあって並んだ火口原湖

火口原の一部に水がたまった火口原湖。赤沼の火口の方が深く二つの火口原は切り立った断崖で隔てられている。
下の空撮写真は手前に赤沼、奥に青沼が映っている。


高さ200mもの火口壁の底にある赤沼

火口壁の最高点1,499mに雌阿寒岳山頂があるが、湖面標高1,298mの赤沼までじつに高低差200mもの壁となっている。
それは上から覗き込むだけで足がすくむほど。


青沼と赤沼のツーショット(空撮)

二つの火口原の高さは100mほどの高低差があろうか。


青沼

青い静謐な湖面の青沼であるが、こちら側の火口壁にも水蒸気の噴出があり緊張感があった。撮影も早々に逃げるように火口1km圏外へと走りでた。



中マチネシリ火口

第三の火口であるが、この火口に池は形成されていなかった。奥に見えているのは阿寒湖と雄阿寒岳。



 

青沼・赤沼へのアクセス

雌阿寒温泉コース

登山者用駐車場

登山口から200m離れた場所に登山者用のトイレ付き駐車場と温泉宿あり。しかしこの駐車場は車中泊はご遠慮くださいとのことで、連泊して晴天を待とうかとも思っていただけに困った。どうも最近、登山口での前泊ができない山が増えている。しかしついに北海道でも・・。
車中泊ブームというが、変なものがブームになったものだ。できることなら宿で休みたいと思うが。
そんなこともあって2023年8月中旬は連日、霧による視界不良もありアタック断念。


登山口

駐車場から200mほど歩くと「雌阿寒温泉コース」の登山口。駐車場からダイレクトに入れる登山口はオンネトー方面へ行く道。

登山道からのオンネトー湖

登山道からはオンネトーの姿が見えて心を和ませてくれる。


火口壁の上に出ると、赤沼が見える

野中温泉の登山口から赤沼の見える頂上付近まで2時間強。途中の痩せ尾根で赤沼の凄みのある姿を拝謁できる。
駐機場で待機するジェット機のような轟音が恐怖感を煽る。じっと見ていたいが御嶽山噴火災害が頭をよぎる。早々に立ち去る。


頂上からの阿寒湖

空撮よりもやっぱり自分の足で登って俯瞰する湖の姿は格別。


bunbun.hatenablog.com


頂上を経て青沼へ

頂上は人が多いので素通り。そういえば撮影もしなかった。
そのまま青沼の姿に吸い寄せられるように、お鉢をまわる。ベストアグルを探しているうちにお鉢からは離れ、もうこのままオンネトーコースで下山してしまうことにした。
下の写真で右上に見えている峰が山頂。


オンネトーコース

登山口は野営場(有料)

車中泊もできる国設野営場(1,000円/人)に登山口がある。前泊するならこちらが便利か。
距離は雌阿寒温泉コースより少し長く登り3時間、下り2時間。
こちらはオンネトー湯滝への入口にもなっている。


bunbun.hatenablog.com

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登山口から見下ろしたオンネトー湖



見かけた動植物

キノコの山のチョコみたい。



GPSログ

雌阿寒温泉コースで山頂を経てオンネトーコースで下山する周回コース。少し距離はあるものの池好きにはオススメ。
最後はオンネトー湖畔路で気持ちよく凱旋して登山者用駐車場に戻れるはずだったが、北海道観測史上記録的猛暑のせいか、最後の最後で汗が止まらず水も不足し吐き気とともに足が動かなくなり、数歩ごとに休憩。
北海道の山とはいえ8月の登山は厳しくなってきた。



 

マップ

現地案内マップ


池さんぽマップ

「ニッポン湖沼図鑑」用の下書きだけど、だいたい構図はこれで決まりか。


 

Googleマップ