三角っぽくない三角池
湖面標高770mほどの山池。
二つの隣接した池からなり、池名のような「三角」形状ではない。明瞭な堤構造や取水設備などは航空写真からは確認できず、天然湖か改造天然湖の可能性が高い。
一方、地元の人の話では池のすぐ下まで林道が通じているとのことで、これが池の管理道であるとしたら何らかの役割を担っていたことも考えられる。
池の形態と成因
二つの池を一つとして見れば三角に
二つの池はゆるやかな谷が盆地状に広がった場所にあり、25mほどの幅の堤状の細長い樹林によって仕切られている。二つの池は通水していると見られ湖面標高や湖岸形状、水質、湖底形状など似ており、もとは一つの池だったとも思われる。一つの池として見れば「三角」という形状が見えてくる。
吐き出し
湖岸は樹林のオーバーハングになっており、水の吐き出しは北側に狭まった一ヶ所。
池の下流側は谷がやや深まり、200mほどで急勾配になる。写真で蛇行して下る林道が確認できる。
たるみ地形
右の写真では下に入畑ダムが見える。
駒ヶ岳中腹の池
三角沼の南東700mほどのところに、もうひとつ無名の池があった。さらに南にはこの一帯では一番大きい八郎沼もある。
湖面標高はいずれも八郎沼と同じく800m前後。
成因は?
大きく見れば焼石岳の山岳湖沼群に属するものと考えられる。
特に中沼、石沼などと分布標高や緩傾斜の地形、湖岸形態に類似性が見られる。
焼石岳の湖沼の研究によると、これらの池は土砂崩れによる堰き止め湖が成因となっているものが優勢のようだ。
三角沼へのアプローチ
林道と数度の分岐
この林道に入り、数度の分岐を左、左で池下の駐車スペースに出る。この駐車スペースでは、2018年ごろの航空写真では駐車車両群が確認できた。
三角沼に到達した方のレポートでは、ここからは廃道状態になり藪こぎをしながら徒歩で目印を頼りに進んだそうだ。
三角沼に到達した「ハイキングさ あべじゃ」さんのブログ記事(2014年)
夏油温泉と夏油三山の登山口
夏油温泉
三角沼について教えてくれた方がいた夏油温泉(げとうおんせん)。
山奥の秘湯といっていい佇まいが魅力的。無料駐車場、トイレおよび有料RVパークあり。
夏油三山の登山口があるので拠点によいが、三角沼へ直接アプローチ路はなさそう。
駒ヶ岳(夏油三山)