水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

目闇沼(福島県会津美里)

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蓋沼野鳥の森の案内マップ。「矢木沢溜池」と記されている。

妖しい池名につき、池探偵発動

Googleマップはここ数年で、池名の記載が急速に拡充している。しかも地図画像に埋め込まれた画像文字ではなく、検索にも対応できるよう、わざわざテキストとアイコンでマークアップしてくれている。
地道にひとつずつ現地に行って池名と正確な位置を確かめ記録してきた私の活動など、一瞬で吹き飛ばすパワーはさすが脱帽するしかないし、池にとっては大変良いことである。
ただ、急激な成長ゆえの珍ミスも少なくなく、それがかえって池探偵という新たな愉しみを与えてくれている。
さっそくだが、ここ蓋沼森林公園においても構成要素の古潟沼が古「湯」沼となっていて、こういうのはわりと日常茶飯時。
問題はその下にある池の方。

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目闇沼・・?!

さて現地。
蓋沼野鳥の森の案内マップには、蓋沼、古潟沼、湿原、三角沼、矢木沢溜池の五つが明示されている。
一方、蓋沼森林公園の案内マップには「三角沼」が「三角池」に、「矢木沢溜池」は「大久保池」と表記。
またGoogleマップでは2021年時点で矢木沢溜池は「目闇沼」という妖しく魅惑的な名でマークアップされている。
三つが三つともに、まったく異なる池名というのもおもしろいが、福島県が公開しているオフィシャルため池データベースでは、なんとまさかの第四の名・・「大窪ため池」と記されていた。
しかしこれで解決とは思わない。
目闇沼なる名はどこから来たのか。

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こちらのマップでは「大久保池」

 

かつては「呪池」騒動も

今は表記が改まってしまったが、数年前に千葉県の房総半島のGoogleマップ上に「呪池」という謎の池がマークアップされた。
この呪池をめぐってオートバイ出動、空撮機材出動も含めて数回の池探偵を実施。全国多くの池をめぐってきた経験上、管理者にとって大切な溜め池に「呪い」なんて名前をわざわざ付けることは、まずない。もし仮りにそう名付けなければならない事情があったとしても、表記としては「野呂井池」などネガティブイメージを出さないように転じるのがふつうだ。
その後、この池のことをよく知る方のコメントや石碑の文字についての投稿などもいただきつつ、顛末としてはGoogleマップの表記がある日、「桃の井沢池」に修正されて終わった。
間違いだったとしても、あれは楽しかった。
しかし「呪池」は、いったいどこからやって来て、どのような成り行きで消えていったのか。現地の古い碑からヒントも見えてきた。池探偵は継続中である。
そんなわけで目闇沼は古名の可能性もあるので、誰か事情を知っている方の目に止まることを期待しつつタイトルとして提示することにした。

bunbun.hatenablog.com


目闇沼の地形

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古潟沼(手前)と目闇沼(奥)


 

Googleマップ

マークした場所は駐車場。