ホンモノのシャークが泳ぐ池
東京からおよそ2千キロ離れた黒島という小さな島に、ホンモノの海水のサメが泳ぐ驚きの池があった。
黒島は八重山諸島のひとつ。離島ターミナルのある石垣島から高速船で30分ほどの船旅で上陸できる。
島では港近くでレンタルサイクルを借りて出撃。
めざすは島の西端にある黒島研究所。ウミガメについて研究している機関だ。研究所では一般向けに、海洋生物を育てている池や水槽を一般向けにも開放していて、サメ池はそのひとつ。
研究所建物の足元にある人工池で、のぞきこむまでもなく1m以上はありそうなサメがぐるぐる回遊しているではないか。



シャークはシャークでも
巨大サメの棲む池は、じつは全国にいくつか存在する。ただ、それらはいずれもサメといっても淡水魚のチョウザメで、分類的には「サメ」とはまったく系統が異なる別モノ。
しかし、ここ黒島のサメ池は違った。その姿、まぎれもなくシャーク!!
といってもジョーズに出てくるような凶暴な種ではなく、人の姿を見れば逃げてしまうレモンザメという臆病な魚食ザメ。黒島沿岸に生息する種で、これでもすべて子どもなんだとか。成長すると2〜3mになるが、大きくなる前に黒島から離れてしまうらしい。いってみれば黒島はレモンザメの保育園?
黒島研究所は入館料500円。年中無休。



サメにエサやりが
鯉のエサやりは見たことがあるが、サメのエサやりはここだけ?
一日の個数限定。この日は、あと6つ。300円。
池の拡張と水源
訪れたときは、ちょうどサメ池の拡張のために若い研究生たちがシャベルで素掘りをしていた。話を聞くと遮水対策を行わなくても、ある程度しみこんだあとは水は止まるという話。スカスカの土壌に見えたので意外だった。
水源は地下水をポンプで汲み上げているとのこと。黒島の地下水は海水が浸透しており塩水なのだという。なるほどそれで八重山諸島の他の島と違って地下水を利用したかんがいができず、牧場だけが広がっていたわけだ。




島の水源
現在の黒島は海底に敷設されたパイプで西表島から送水されている。
海底パイプができる前は、各家でコンクリート水槽に天水を貯めて使っていた。黒島研究所の一角には、そんな水槽が置かれている。
黒島研究所入口
島で見たもの
黒島は主産業は黒毛和牛。ここでは仔牛だけを出荷していて、肥育する土地のブランド牛へとなっていくシステム。なるほどレモンザメだけでなく、黒毛和牛の保育園でもあるわけだ


