日本最西端の島の水道。その水源をたどる
ニッポン本土はおろか、沖縄本島よりも台湾の方が近いという絶解孤島だけに、この島の水道はこれまでの経験上、海水淡水化施設しかありえないと思っていた。
しかし民宿のおかみ曰く、そんな施設はないという。あくまで川が水源と主張するおかみ。しかし島全体の上水道水源になるような、そんな立派な川がこの島のどこにあるというのだろう。
与那国島の二日目は、この島の上水道水源を突き止め、この目で確認することにした。出がけに、おかみが言った。
「昨晩、シャワーはだいじょうぶでした?」
確かに水の出が悪かったが、そんなものかと思っていた。
配水池は高台を探せ
なんでも、島の水道はアルカリ性が強く、シャワーヘッドの細かい穴が石灰成分ですぐに目詰まりしてしまうのだという。昔は宿自前で硬度処理をする装置を入れていたが壊れて以来そのままになっているそうだ。
町の水処理システムが改善されることを期待していると、切なる表情で訴えるおかみ。
宿の外に出て、まずは配水池を探す。ふつうの池探しに比べれば、他愛もないことである。
彼らはきまって高台に鎮座している。山と同じで目を上げればどこかに見える。
与那国島最高峰、といってもたかだか標高231mの宇良部岳の山麓に配水池が数基、見えた。それも、馬ごしに。
与那国島の景観名物といえば、そこかしこで自由に糞し闊歩する馬なのである。
水源の川はいずこ?
さて次に、宿のおかみが言っていた水道水源の取水口を探す。
川の上流にあると言っていた。しかも集落からすぐ近いような話ぶり。うろ覚えなのか、実際には見たことがないのか。
そうだろう。蛇口から出てくる水の質は気にしても、その水を採っている取水口がどこにあるかなんて気にする人はあまりいない。そういう私も自分が住んでいる土地の水をどこから取水しているか、よく分かっていない。
興味を引いたのは、200m級の山が二つしかないこの小さな島に、町を潤すほどの水が採れる川があるのか、という点だった。
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