水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

シュンクシタカラ湖(北海道釧路)

シュンクシタカラ湖への案内道標。この起点からダート路を21km。

日本最後の秘湖・・というのは都市伝説ならぬ山伝説だった?!

衛星画像によってその存在が初めて公の知るところとなったという、国内では最後に発見された秘湖・・という触れ込みであったが、北海道ファンマガジンサイトによれば、大正時代の陸軍陸地測量部による測量地図にしっかりとこの湖が記載されていたという。
さらに現在は林道が湖畔まで通じておりクルマでもアクセスできる湖になっており、秘湖というにはどうかなあという感じだったが、現地に赴いてみて明らかになったのは、別の理由で秘湖回帰しつつある事実だった。

 

シュンクシタカラ湖の不思議な形態

シュンクシタカラ湖は阿寒川水系舌平川支流のシュンクシタカラ川をさらに遡った第十三小川の源流近くにあるが、直接の流出河川はない。
湖面標高445m。周囲長1.8kmに対して水深30m弱と、ダム湖なみの深さを持つ。
水源や流出路など謎も多く、ものすごい怪魚がいるかもなどと妄想しつつ、ぜひとも会ってみたい湖。



 

シュンクシタカラ湖へのアクセス

「消えたマチ」がアプローチ路起点

池へのアプローチ路の起点は、布伏内の町。
二車線道路が通じており、雄別炭鉱鉄道跡として記念館と駐車場があり、通信も入ったのでアタック前の最後の情報チェックを行う。
消えたマチということで廃墟の味わいもある。1kmほど道道を北上すると左手にシュンクシタカラ湖への入口があった。
ていねいに案内道標まであるが、ここから21kmのロングダートが始まる。


シュンクシタカラ林道の起点に(2021年7月)

フラットダートの林道はところどころに渓流釣りか山菜採りらしきクルマが停まっていた。道幅もあり、わりと走りやすい。日本最後の秘湖と意気込んできたが、距離が長いことをのぞけば、拍子抜けするほどイージーな道のり。
しかし、そんなに甘くはなかった。
6km地点まで来たとき、行く手を阻むゲートが現れた。



 

地元釣り人より情報を得る

ゲート前には駐車スペースもあり、二台のクルマが停まっていた。
池ごはんでもして作戦を練り直す。そのうち一台のクルマの持ち主がウェーダー姿で現れた。
シュンクシタカラ湖には雄別林道の方から入っていくルートもあるそうだが、そちらも現在は崩落で通行止めになっていて、地元の人でもしばらく池には会っていないそうだ。こうなると本物の秘湖状態。
釣り人からその日の獲物のヤマメとニジマスを見せてもらった。


 

徒歩で進み、地形を空撮

このあたりの熊は人を襲わないよ、と釣り人が教えてくれたので、おそるおそるゲート先へと徒歩アタックを試みる。
早々に道が消失しかけてきたので、今回は予備調査と割り切り、空撮に切り替える。池は深追いしない。チャンスはまたある。

渓相もいい感じだが、まもなく道が消えた(下写真)

拠点となる道の駅

林道起点から13kmほどのところにRVパークやキャンプ場も併設した道の駅があったので、2023年8月、じっくり構えてシュンクシタカラ湖の攻略を考えることにした。

bunbun.hatenablog.com



 

管轄する林野庁に問い合わせてみると(2023年8月)

シュンクシタカラ湖に行くルートは2022年にいったん通行できる状態になったものの、同年に発生した道路崩落で通行不能に。
歩いて行けますか、と林野庁の担当の方に訊いてみると、距離が長くヒグマとの遭遇の怖れもあるので現実的ではない、との回答。
今後の復旧の見込みについて訊ねると、一体は国有林なので、伐採などの計画が出ない限り、林道を復旧させる予算がつかないので、今のところは何とも言えないとのことだった。


 

このどこかにシュンクシタカラ湖が?

直接湖面は捉えられていない。湖ははるか奥の奥の方になるが、地形的にはだらだらとした丘陵地という感じで、高所の池ではなさそう。
パラグライダーに150ccほどのエンジンプロペラを積んだパラモーターでもあれば、わりと簡単に行けてしまう?
そういえば同じ集合住宅で、パラモーターを軽バンに二機積んでいる夫婦がいて、見せてもらったことがある。そのときは意外なコンパクトさに驚いただけだったが、ここにきて妄想が広がってきた。




 

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