日本最後の秘湖
衛星画像によってその存在が初めて公の知るところとなったという、国内では最後に発見された秘湖。
シュンクシタカラ川の源流域にある山池だが、川とは直接つながっていないという興味深い情報も。水源や流出路など謎も多く、ものすごい怪魚がいるかもなどと妄想しつつ、ぜひとも会ってみたい池だった。
しかしながら発見されたのは1970年代のことで、半世紀が経過した現在は池まで林道が通じており、クルマでアプローチできる池に。まあそうはいっても話はそうカンタンではなかった。
「消えたマチ」がアプローチ路起点
池へのアプローチ路の起点は、布伏内の町。
二車線道路が通じており、雄別炭鉱鉄道跡として記念館と駐車場があり、通信も入ったのでアタック前の最後の情報チェックを行う。
消えたマチということで廃墟の味わいもある。1kmほど道道を北上すると左手にシュンクシタカラ湖への入口があった。
ていねいに案内道標まであるが、ここから21kmのロングダートが始まる。



橋の崩落で通行止め
ダート林道はところどころに渓流釣りか山菜採りらしきクルマが停まっており、わりと走りやすい。日本最後の秘湖と意気込んできたが、距離が長いことをのぞけば、拍子抜けするほどイージーな道のり。
しかし、そんなに甘くはなかった。6km地点まで来たとき、行く手を阻むゲートが現れた。


地元釣り人より情報を得る
ゲート前には駐車スペースもあり、二台のクルマが停まっていた。
池ごはんでもして作戦を練り直す。そのうち一台のクルマの持ち主がウェーダー姿で現れた。
シュンクシタカラ湖には雄別林道の方から入っていくルートもあるそうだが、そちらも現在は崩落で通行止めになっていて、地元の人でもしばらく池には会っていないそうだ。こうなると本物の秘湖状態。
釣り人からその日の獲物のヤマメとニジマスを見せてもらった。



徒歩で進み、地形を空撮
このあたりの熊は人を襲わないよ、と釣り人が教えてくれたので、おそるおそるゲート先へと徒歩アタックを試みる。
早々に道が消失しかけてきたので、今回は予備調査と割り切り、空撮に切り替える。池は深追いしない。チャンスはまたある。
このどこかにシュンクシタカラ湖が?
直接湖面は捉えられていない。湖ははるか奥の奥の方になるが、地形的にはだらだらとした丘陵地という感じで、高所の池ではなさそう。
パラグライダーに150ccほどのエンジンプロペラを積んだパラモーターでもあれば、わりと簡単に行けてしまう?
そういえば同じ集合住宅で、パラモーターを軽バンに二機積んでいる夫婦がいて、見せてもらったことがある。そのときは意外なコンパクトさに驚いただけだったが、ここにきて妄想が広がってきた。