新潟県のため池データベースにも登録されている堤高10m弱の農業用ため池であるが、ちょっとユニークな運用がなされていた。
アプローチ路入口は斑尾高原上にある沼の原湿原駐車場。ここから派生するダート林道で4kmほど奥地へ。さらに分岐がありクルマ止めチェーンがあったので徒歩で進む。すごい土砂降りでカッパを着こんで下を向いてチェーンわきを通ったのでそのときは気付かなかったが、関係者以外立入禁止・監視カメラ稼働中の立て看板があった。
この看板は、豊葦地区協議会名義。ため池ならば土地改良区(みどりネット)か自治体名義が多いので、地区協議会って何だろうと思った。調べてみると、東京にもあって地域の問題を解決し地域発展をめざして活動する団体を束ねたゆるいつながりを指すようだ。
アプローチ路から立入禁止にできる強い法的権限を、ゆるいつながりである地区協議会が持つことは、池と道を含む土地の所有者を巻き込んでいれば可能だろう。
とにかく、ため池としては不便な場所にあり、誰かが管理しなければ、あっという間にひどい状態になってしまうだろう。
しかし、ダート路は明らかに気合を入れて整備されている。途中、小さな池もあった。天然のものだろうか。
雨の山林は熊との遭遇リスクが高いので通常は入らないようにしているが、あまりに道がよく整備されていたので、つい奥へ奥へと進んでしまう。
すると、とつぜん視界にマイカーっぽい他県ナンバーのクルマがずらずらっと。チェーンゲートがあったのに、なんなんだこの駐車車両は? 別ルートがあるのかと思ったが、そうでもないようだ。
浮き桟橋前のタープには、コーヒーのポットとカップが置かれ、島の向こうに釣り人のエレキ付きボートがゆっくり水面をすべっていく・・なんなんだ、このすごいパラダイス感は?!
桟橋前には「BLUE BERRY POND」(ブルーベリー池)とある。中樽溜池ではなかったのか。
クルマに戻ってからブルーベリーポンドで検索すると、ペンションが占有的に水面利用を認められていて、宿泊者のみ一日6艇限定でのプライベート・フィッシングポンドを運営しているとのことだった。
対象魚がブラックバスを主体にしている点も特徴。閉鎖水域なので実現できたようだ。
それにしても釣りルールがじつに細かく厳しくて持ち物検査まで・・料金設定も私には少々厳しい。
この時代、野池パラダイスは持てる者に厳格な制限付きで開かれるものなのかもしれない。
フリーを求めての池探索も、そろそろ終点だろうか。
マークした場所がアプローチ路入口。