日本中の池の中でも驚くべき池密度と驚くべき歴史、そして感嘆すべき特徴的な景観をもった山古志の棚池群は拙著『日本全国 池さんぽ』でも採りあげたが、やはり機会があるごとに何度でも訪れてしまう。
今回はGoogleマップで「山古志 棚田棚池の名所（一本杉）」なるピンが新設されていたので訪れてみた。何度も通っている場所のはずなのに、Googleマップにあらためて教えてもらったかっこうだ。
注意を払っているつもりでも、誰かに「ここは絶景スポット」と指呼されて初めて、なるほど、そうなのかというようなこともしばしば。
絶景もインフレ気味の昨今、あまり加担するつもりもないが佳景にはなろうか。
棚池の密度と表情を求めるなら虫亀地区の方がビューポイントとして軍配が上がるが、この場所の強みはけっこうな高度感と雪渓をたくわえた魚沼山群の遠望であろう。
またアプローチ路は狭いものの、じゅうぶんな台数の駐車場が確保されているのもありがたい。
山古志の棚池では、真の絶景スポットは他にもたくさんあるが、いいところに限って道幅狭く駐車スペースがないところばかり。クルマを置いて徒歩か自転車でじっくり池さんぽができれば、思ってもみない風景に出会える。
