水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

西山ダム(高知県室戸)

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なんという長い堰体! どこからどこまでが堰体なのか分からないぐらい。

周囲500mクラスの小さな貯水池だが、堰体は30m近い高さ。土盛りで堤高30mといえば、かなりのものだし、傾斜が緩い分、堤の法面の長いこと長いこと。池よりも大きいかも。そんなアンバランスさが山上に光る西山ダムの持ち味だろう。
2018年のアタックではアプローチ方法が分からず予備調査に終わった。今回は二度目である。
海岸に沿って走る国道からダムへと川伝いに上っていく道がない。というのも、高さ100〜270mもの海岸段丘が海まで迫る室戸独特のジオパークな地形のため。
予備調査では尾根を隔てた川筋の県道から空撮で地勢状況を把握。強風のため制御が難しくダムの姿は捉えられなかったが、尾根伝いのダムへのアプローチ路と、谷にかかる広域農道の橋の状況が分かった。

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2018年の予備調査の写真。右側の尾根を走る舗装路がダムへのアプローチ路。谷の末端に見える立派な橋は広域農道。

これをもとに、室戸市街のはずれから二車線の広域農道に入って道なりに進み、谷をまたぐ大きな鉄橋を渡った先で農道は終点。左折すると狭い山道を海側へと下り、右折すれば稜線に這い上がってダムで終点となるアプローチ路。途中、人の気配といえば炭焼きのような家が一軒あるのみ。その先、道は二つに分岐する。左を進めば堰体上に出る。
同名のダムは、長崎県、山梨県にもある。

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ダム下流側の海岸段丘地形と太平洋。
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ダム手前500mの分岐。左はダム天端、右はダム下に出る


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広域農道の入口にあった案内板


室戸の海岸段丘の地形は動画の最初の部分に。