水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

菅野沢堤(宮城県利府)

菅野沢溜池。
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仙台と利府にまたがる豊かな県民の森の池群のひとつ、というより正確には四つである。
300〜400mクラスの中規模の野池が四段の重連になったかたちだが、このエリアの風土性といおうか、「上池」「中池」「下池」というような名称上の区別はせず一括して菅野沢堤と呼ぶようである。
一番上の池から四番目の池まで、すべての池にへらぶな釣り師なりバサーなりが入釣していて、釣りあげる姿も見ることができた。
四つの池それぞれが、長く釣り人を惹きつけてきた個性をもっているだけに、ひとつひとつ個別にページを付与したいところであるが、釣り場としては微妙な状況にある現状を踏まえ、四池をまとめて掲載することにした。

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上から二番目の池。池端に駐車場がある。


まず県民の森奥深くに食い込んでいる一番上の池と二番目の池は細い中堤で区切られているだけだが、一方はヒシモで覆われ、一方は完全なオープンウォーターである。

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一番上の池。奥に見えるのが二番目の池。
下の写真は二番池を堰体側から撮影。
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二番目の池の左岸側には未舗装の駐車場があり、十台程度の収容力がありそうだが、すでにハイカー、バサー、へらぶな釣り師らで何台か埋まっている。
二番目の池にはいくつか規制看板があり、「関係者以外立入禁止」と「農業用水利用目的以外の利用はご遠慮ください」という古いものと、黄色ベースのビビッドな新しい釣り禁止看板である。

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この新しい看板の設置者は利府町で、古い方は池の直接の管理者である土地改良区のようだ。
いちばん下の池ではキャッチアンドリリース禁止の看板も併設されていたことから、これまでは実質的に管理者側が黙認するような経過をたどってきたのだろう。

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キャッチアンドリリース禁止看板は、釣り公認の時代のなごり?

今回は町役場が直接動いたというところが、大きく違う。自治体が動くと共通デザインの規制看板を大量に作り、行政区内の野池すべてがいっきに右へならえとなるのは全国の各地で起こっていることである。所轄警察署が連名になっていないだけ、まだいい。そうなれば釣りをしただけで通報、逮捕され前科持ちとなる。
釣り禁止の共通看板には全国的に一定のパターンが見られるが、今回のは初めて見るデザインだったから、設置はつい最近のことだろうと思ったが、調べてみると2017年の春から初夏にかけてのようである。

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三番目の池へとクルマも通れる舗装路を下りていく。池ばたに駐車スペースがあるが、堰体入口にはやはり釣り禁止の共通看板があった。
それにしてもみごとなまでに水面を浮き草に覆われている。

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三番目の池の水面は水草に覆われていた


車道を下って四番目の池へ。インレット、堰体側ともに釣り人がいる。キャッチアンドリリース禁止の看板があったので、この池だけは緩衝地帯として釣り黙認かと思いきや、堰体奥のフェンスに共通看板があった。このあと、利府町内の離れたところにある池でも同じ看板を見つけた。これだけ人々に愛されている水辺だけに、他の方法はなかったのかと残念でならない。
とはいっても自治体側の事情にも察するものはある。

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一番下の池はオープンウォーター


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マークした場所は二番目の池の駐車場。