水辺遍路

実踏・日本の湖沼 7,250湖

水辺の看板あれこれ

池や湖といった水辺には、さまざまな看板が掲げられている。
看板は池に深く携わる人からのメッセージ。作るのも設置するのもお金もかかるし、自治体や管理者団体の同意が必要だったり、けっして安易なものではない。そう思うと看板を見ると、思わず吸い寄せられるようになった。
全国のいろいろな看板をまとめてみた。

目次

 

いろいろな禁止看板。

新潟県糸魚川の高浪の池は、体長4m! 謎の巨大魚「浪太郎」で有名な池。遊泳禁止看板がなかなか粋で、「浪太郎が驚くので池で泳ぐのはやめてください」とのこと。英語も記されており、 Because Namitaro is surprised.と、果たしてこれを見た外国人は・・?

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「ランニング禁止」なるものを初めて見て驚愕したのは2013年、長野県の女神湖でしたが、今や全国あちこちで犬の散歩禁止、猫へのエサやり禁止など禁止項目も多様性を増してきました。下の写真は横浜市の中池で見つけたもの。ベンチの長時間独占禁止。

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ダム見学者に向けての「飲酒禁止」。山形県の桝沢ダムにて。
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釣り禁止の連打。埼玉県嵐山にて。よほどいやなことがあったのでしょうか。
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通学路で猟銃は怖い・・。
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一尾につき10万円と、具体的かつ超高額罰金の釣り禁止。埼玉県にて。
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神戸の奥須磨公園の池では、釣り禁止の方に罰金はないものの、タケノコ採り禁止の方は五万円と高額な罰金が。平均的な日本人が一生で食べるタケノコの総額ぐらい?
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富山県で見つけた看板。「用水だ!」以外の言葉は皆無。
注意喚起と捉えればいいのだろうが、何かを具体的に禁じているわけでもなく、おのれで考えるしかない。
看板を設置するのは手間もお金もかかる。そこまでして設置する以上は、強い思いがあるはずである。設置者にとっても高度な試みである。伝わるか、伝わらないかは分からない。分からないが相手に託す。そんな北陸の人間性の発露であろうか。
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全国でもっとも成功した禁止看板デザイン。

規制看板の名義には地元自治体、地元警察の他、「土地改良区(水土里ネット)」「水利組合」「ため池管理者」が多い。看板設置は管理者側からすれば費用と手間がかかるため、自治体やため池管理者団体が一括して作成するケースがよく見られる。
中でも、子どもが水に落ちた図案を用いた統一フォーマットの看板は、全国に流通しており看板デザインとしてもっとも成功したものといえそうだ。
広島県東広島市や愛知県岡崎市で使われている。地域共通というほどではないが千葉県いすみ市や大網白里町でも同じ図案の看板が使われている池が見られた。
「あぶない!!」という文字の下にイラスト、いちばん下に自治体名称というフォーマットが共通している。「あぶない!!」の文字は東広島が黒い文字を採用している他は赤い字が基本形のようである。
千葉県いすみ市で見つけたものは自治体名部分がなく、看板の縦横比は正方形に近いというバリエーションが見られる。


広島県東広島の三取池
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愛知県岡崎の山の田池
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千葉県いすみ市の萱落堰
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千葉県大網白里町の前島池
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なんと愛知型、千葉型のメジャー双璧の共通釣り禁止看板がダブルで設置されている。和歌山県かつらぎの野池にて。



 

アート性の高い看板。

岡山県玉野の共通感版。

池の絵を描くときに、なくてはならない絵の具メーカーの老舗Rowney社のCobalt Green Deep (325)を思わせる渋い地色をベースに、どこかムンクを思わせる訴求力の高い手描きタッチのこの看板は、岡山県玉野エリアの野池の多くに見られる共通デザインの看板。シュールな雰囲気にそそられる。

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福岡県福岡および糸島で見つけた看板。

共通看板ではあるが自治体ごと、土地改良区ごとという枠組みを超えて、赤い羽根基金の補助を受けて作られた看板というところにマニアックな悦びがある。色彩、配置のバランスがよく、フォントもイケてる。特に字間の詰め具合がたまらない。看板設置者が自治体や土地改良区ではなく、「福祉協議会」というところも萌えポイント。

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ちょっとシックな「八幡製鐵所」の釣り禁止看板。

茶色ベースの釣り禁止看板は見たことがなかった。
この看板が立っていたのは、産業遺産的、土木遺産的でヨーロッパの古城のような構築物のある養福寺貯水池。
そんな古風な雰囲気を意識した看板であろうか。どうせなら有刺鉄線付きフェンスも茶色にしてほしかった。

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遠すぎる看板。

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巨大な看板が池の存在をアピールしているのだが・・。横には「釣り・ボート遊び禁止」の看板も見える。和歌山県橋本の引の池にて。