おさかだいけ。小坂田湖。道の駅 小坂田公園。
道の駅と公園が隣接した無料の釣り池は、長野では絶滅危惧池。
道の駅としてリニューアルされた小坂田公園が隣接しているが、池と公園敷地は一体化はしておらず、池のぐるりは生活道と一般の宅地となっている。地元で生まれ育った人も、子どものころはよく連れて行ってもらったものの、池があったとは知らなかったと言っていた。確かに「小坂田池公園」ではなく、「小坂田公園」となっている。
釣り禁止か有料化の二極化が進む長野県にあってこの池は、もはや絶滅危惧種ともいえる公認の無料釣り場、塩尻市にあっては最後の砦のような存在だった。
対象魚はコイ、ブラックバス、ブルーギル。池独特のオフィシャルルールがあり、禁漁期や桟橋以外での釣りが禁じられている。現地の案内板には「家族連れ、子どものための釣り場」と明記されており、近くのみどり湖と田川浦湖などはルアー釣り禁止とあって、週末ともなると本格装備のバサーが池を取り囲み、管理釣り場状態。案内板の記載とのギャップが大きいのが印象的だった。
ここで記されていたローカルルールは以下。
- 11月〜3月は禁漁期
- 5:00〜19:00(夏期)
- 7:00〜17:00(春秋)
- 釣りは桟橋で行う
- 釣り禁止エリアの厳守
- 迷惑駐車は絶対に慎む
- ゴミは捨てない
- 家族連れ、子どもを優先させる
地元釣り人の努力で維持。
釣り人のマナー問題で2010年前後には釣り全面禁止措置が採決される寸前のところまでいったが、マナーブックの発行配布、清掃活動、老朽化した釣り桟橋の修繕など、地元釣り人の努力によって、かろうじて公認を維持してきた経緯がある。
2018年春の再訪では、新しく設置された釣り禁止看板を確認。ただ、もともと桟橋以外での釣りは禁じられており、釣り禁止区域であることを示す従来の看板は分かりにくいとの市議会での議論もあったことと、従来の注意喚起掲示も併置されていることから、池全体ではなく釣り禁止エリアであることを示すものと思われる。
この看板の設置者は土地改良区となっている。すぐ近くにある小坂田公園内の池に掲げられた釣り禁止看板の設置者は塩尻市となっており、もし完全釣り禁止措置であれば市名義の看板が使われることになろうかと思う。
とにかく訪れるたびに、ひやひやする池である。釣り桟橋の修繕にもお金がかかる。修繕ができなくなれば、安全上、桟橋以外の釣りを認めていない以上、池全体の釣り禁止措置を市側は決定せざるをえまい。
釣り禁止看板の前でそんなことを考えていたら、すぐかたわらを竿を持った若い人が通っていった。横で掃除をしていた地元のおじさんは、目を上げようともしなかった。
マークした場所は道の駅の駐車場。