水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

御池(長野県松本)

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梓湖から国道を離れ、乗鞍高原に向かう沢伝いの道が、まもなくヘアピンカーブを伴ないながら河岸段丘の上に這い上がると、御池が現れる。
段丘の上はなだらかに乗鞍岳へと向かう高原の入口で、今立っているところが両側を深い谷川にはさまれた馬の背のような束の間の平地だという自覚はない。
わずかな土地を惜しむように、池のそばには小中学校も立っている。池の水面は水草で覆われ、ところどころに草の小島を浮かべ、向こう岸には水神様の祠も見える。
この池には龍神が棲むといわれ、頭は乗鞍岳、胴体が御池、尻尾は諏訪湖というから壮大な話である。尻尾の諏訪湖に対して、胴体である御池があまりに小さすぎる気もするが、御池をへそと考えれば、両側を谷筋にはさまれた細い河岸段丘自体が長い胴体として考えられていたという意味ではないかとも思えた。
池から400mほど道を上っていくと「御池」を店名とした蕎麦屋があったが、現在は閉店してしまったようだ。なおこの蕎麦屋の横にあるのは、ちどり池。店がなぜ「ちどり池」ではなく、離れた「御池」を店名に選んだのかは今となっては分からない。

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乗鞍高原と乗鞍山岳湖沼群。御池は左下にある。
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Googleマップには池として記載されていない。地図の中心あたりに御池がある。