水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

神の子池(北海道清里)

かみのこいけ。

摩周湖と地下でつながると言われた「神の湖」の子

北海道でも屈指の神秘の湖、その名も「神の湖」の意のアイヌ語で「カムイトー」といえば摩周湖のこと。この神の湖と地下水脈でつながった小さな池。それが神の子池である。

 

神の子池の景観と形態

じつは最近の調査では・・

近年の調査で摩周湖と神の子池の水質は異なることが分かった。神の子ではなくなったわけだが、この池のほとりに立てば、科学的な根拠がどうであれ、これぞ神の子だと思わずにはいられない。

水源は池底から湧出する地下水

1日12,000tもの湧水に恵まれた神の子池は周囲220m、水深5m、水温は年間を通じてほぼ8度。


 

オショロコマが生息

水酸化銅の影響とされている水質は、光の加減で神秘的なエメラルドブルーに滲む。池底の倒木は腐らずに幾重にも交差して横たわり、水草がスローモーションのように揺れる。
「魚がいる!」と、ひとりの若者が声を上げた。
仲間たちは笑って相手にしない。若者は池に目を凝らし、やっぱりいる、と言って、ちいさな雪の塊を投げた。
「あれ、動かない」
「ほら、魚じゃないって」
若者は残念そうに、なおも水中を見つめるが、仲間たちはもう行くよと言って歩きはじめた。
琥珀色の水面に小さな波紋がゆっくりと広がって消えた。
あとで調べてみると、神の子池にはオショロコマと呼ばれるエゾイワナが棲んでいるという。若者は正しかったのだ。


 

神の子池へのアクセス

アプローチルートとなる林道は未舗装でおよそ2km。2014年の初訪問時はところどころ荒れていた。かろうじて観光化されていない場所だが、隠れパワースポットとして人気が高まり、未舗装ながらクルマ20台ほどの駐車場とトイレが設置された。ここも遠からず観光道路が通じ、大型バスが出入りするようになるのだろう。

2014年撮影



 

施設・設備・案内板

駐車場、トイレあり。写真はいずれも2014年。




 

地域の特産「ジャガイモ焼酎」

神の子池のある清里町はジャガイモ焼酎発祥の地でもある。



 

Googleマップ

マークした場所は駐車場。