水辺遍路

実踏・日本の湖沼 7,450湖

北伊奈ヶ湖(山梨県南アルプス)

【きたいながこ。北伊奈ヶ湖水辺公園、エコパ伊奈ヶ湖】
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釣りをお楽しみください、という池から、釣り禁止の池に。

当ブログのコメント欄に釣り禁止になったとの情報をいただき、たまたま見つけた楽園のような山上湖での釣りが心に残っていただけに、じっとしていられず、6年ぶりに再訪。
まず、取水設備、洪水吐を含む堰体部が全面改修されていた。これによる水抜きで外来魚はほぼ駆除が完了したらしく、あれほどいたブラックバスはこの日、池を一周して歩いたが一尾も確認することができなかった。

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左は2013年に撮影した看板。2019年現在はこの看板は撤去された。右は北伊奈ヶ湖の釣り禁止看板(2019年)


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野外体験設備と駐車場。この駐車場からも北伊奈ヶ湖に行く場合は、少し歩く


 
 

溜め池の設備

江戸期以前からある湖面標高820m、湖周400mクラスの溜め池。山上湖的な立地から、明治から昭和にかけて峡西電力(東京電力に合併)が水力発電用として使っていたことも。
現在は農業用水の供給と観光用。

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2018年に改修された堰体
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取水設備
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改修前(2013年)の取水設備


 

親水護岸

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この護岸形状が釣りにぴったりだった・・
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流れ込み

流れ込みは石組みの護岸と水路になっている。インレット側は草地の広場。

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流れ込み部
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二宮金次郎が背負った荷物が柵に引っかかって動けなくなって・・金次郎さん、ちょっと歩き読書に熱中しすぎ?


 

アプローチ

南伊奈ヶ池とちがって、クルマから直接見えるような池ではない。県道沿いに大駐車場やビジターセンター(トイレあり)があるが、ここからは遊歩道でくぼ地を下って行った先に池がある。
9:00〜17:00の間なら、池近くの駐車場までクルマで下ることのできる管理道がゲートオープンされる。9時前に着いたときにはゲートは閉まっていたが、大駐車場で待っていると、9時ちょうどに管理人さんがゲートを開けてくれた。
この方は池近くにある管理舎に詰めているようだ。

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池近くの駐車場と管理舎


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案内板
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2013年7月の釣査

道沿いにあった南伊奈ヶ湖の釣り禁止の看板に、「(釣りは)北伊奈ヶ湖でお楽しみください」と記されていた。ちょっとめずらしい看板だ。
溜め池なのに、釣りをお楽しみください、というのは、ずいぶん親切な話である。とはいっても、有料のニジマス釣り場あたりが相場だろうとタカをくくっていた。
ほどなく比較的大きな駐車場とレストランがあり、9時〜17時以外の時間は施錠されると記されたゲートを通って舗装路をクルマで下っていくと整備された駐車場が現れた。

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2013年7月撮影

管理棟があるが無人である。有料釣り場ではないのかと思って、あたりを見まわすと「ブラックバスの持ち出し禁止」の看板。ブラックバス持ち出し禁止ということは、どうやら子どもだましの釣り場ではなさそうである。道具を取りに駐車場にもどった。
北伊奈ヶ湖では、全国で駆除のうねりが進むこの有害指定の外来魚を、山奥の閉鎖水域に閉じ込め、公認の釣り場として開放している。岸辺は変化に富み、遊歩道もあるので釣りをしながら池を一周できる。
まずその魚影の濃さに驚いた。どの岸辺にもブラックバス、ブルーギル、コイが見られる。40センチ以上のブラックバスも少なくない。
しかし甘くはなかった。この池の魚は手のひらサイズのちびバスに至るまで、徹底して教育が行き届いている。
無視。完全なる無視。
悠々と群れがスクールしている。
通常はほとんどスピナベしか使わないが、腰を据えてソフトルアーも試してみた。
無視。やっぱり無視である。好奇心旺盛な小バスが、たまに、ちょいと振り向く程度。
それだけである。
持っているものを手あたり次第に試すことにした。なんせ目の前で大小の魚が行き交っているのである。
池を一周したが、まったく反応を得られなかった。
特に大型の魚は、本物の虫が水面でじたばたしていても関心を示さない。この池の魚は何を食べて育っているだろうか。
釣果はともかく、緑の多い静かな環境の中、魚とあれこれ知恵比べするのはとても楽しいひとときだった。
ここまでタフコンディションだと、ある意味割り切って、ふだんは使わないようなルアーや釣法をじっくり研究してみるのに、かっこうの池ともいえる。うまく釣れたら満足もひとしおだろう。
また、足場もいいので家族でのんびり楽しむのもいいだろう。たくさんの魚が見えるから子どもも喜びそう。


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2013年7月撮影

 

水抜きの記事(山梨日日新聞/2018年9月22日)

水抜いた湖で生き物観察南ア・北伊奈ケ湖で29日「生態系の大切さ学んで」

湖の水を抜いて生き物を観察しよう-。南アルプス市は29日、同市上市之瀬の北伊奈ケ湖で、改修工事に伴って水抜きが行われるのに合わせ、淡水生物観察会を開く。国連教育科学文化機関(ユネスコ)に登録された南アルプスの生物圏保存地域「エコパーク」の生物相への理解を深めるとともに、環境保全への意識を高めてもらおうと初めて企画した。

北伊奈ケ湖は周囲約400メートル。かつては発電用貯水池だったが、現在は周辺の農業用貯水池として利用されている。「核心」「緩衝」「移行」の3地域に分けて設定されているエコパークの対象地域のうち、教育や研修に生かす緩衝地域内にある。

水抜きは、堤の老朽化に伴う県の改修工事のため行う。水位が下がり生物観察に適していることから、市は観察会を開くことにした。

市ユネスコエコパーク推進室によると、湖にはヌマエビやドジョウ、ヨシノボリなどが生息。一方で、オオクチバス(ブラックバス)やブルーギルなどの外来種も確認されている。外来種は釣り客が意図的に放流したとみられていて、水抜きの際に駆除する計画。

観察会は山梨淡水生物研究会や県の協力を受けて開催する。事前の調査で捕獲した淡水生物を参加者に説明するほか、水位が下がった水辺での観察も行う。同室担当者は「水を抜くのはめったにない機会。生態系を維持する大切さを学んでほしい」と話している。

観察会は29日午前9時~11時半。小学4年生以上の親子が対象。参加無料で定員は70人。25日以降に申し込みを受け付ける。先着順。申し込みは同室、電話055(282)7261。


 

Googleマップ

マークした場所は、池に近い駐車場(早朝夜間閉鎖)