【ふなこしつつみ / 清水船越堤公園】
夫婦の二つの池からなる桜名所の公園池
住宅に囲まれた小高い丘の裾にある夫池と婦池の2つの池を中心に、小山を含めた一帯が清水船越堤公園として整備されており、春は桜が咲き乱れ多くの人が集まる。釣りができる公園池でもあるが、池の本当の役割は・・。
夫池(雄池)
池の本業は「洪水調節」のお仕事
掘り込まれたように岸に対して水位が低い位置にあり、巨大な洪水吐が特徴の洪水調節池。
景観、親水機能ともに高レベル
池の横は小山になっており、アスレチックなどの遊具もありハイキング気分でちょっとした遊び場にもなっている。春は西岸の桜がみごと。


流れ込み
階段状護岸の下に流れ込みが見える。流れ込み側はウォーターマッシュルーム群落で緑の絨毯のよう。
下右の写真は流れ込み水路にかかる橋。


水上あずまやとボードウォーク
一部が通行禁止になっている。



魚影と水生植物(血止草)
鯉の魚影あり。南岸側には10年前には見られなかった水生植物が繁茂。ウォーターマッシュルームの一種で外来種のブラジルチドメグサであろうか。チドメグサ属そのものは在来種もある。「血止草」と書き字のとおり止血の民間薬として使われてきた歴史がある。


夫池での花見ランチ


夫池での釣り
リール・ルアー釣りは禁止
カタの夫池、数の婦池
東岸は水面近くに歩道が設けられており、おかっぱりにうってつけだったものの、2013年から歩道が破損し通行止めになっている。西岸は雑木林がせり出し切り立っているが、水際近くは歩ける程度のスペースはあるのでおかっぱりは可能。
かつては良型のへらぶなもいたようで、カタの夫池、数の婦池ともいわれていたようだ。
実釣査ではブルーギルのみ
2011年にヘラブナ釣りの仕掛けで実釣もしてみたが、釣れたのはブルーギルだけだった。良型のコイは目視できた。なお写真で、けだるそうに釣りをしている女の子も現在は一児の母である。
夫池の変遷
2011年
水面にウォーターマッシュルーム群落は見られない。
2013年11月
ボードウォークが閉鎖され立ち入りできなくなっていた。
2023年4月
ウォーターマッシュルームが流れ込み側に繁茂。
夫池への流入水路
流れ込みをたどっていくと住宅地横を流れる水路に。右側の山が公園。階段で上がっていくこともできた。


婦池(雌池)
夫池に比べこじんまり


婦池の堰堤側
富士山が見えた。堤を下る階段の先にある壁は夫池の擁壁。少し変わった構造なのは、夫池を調節池として改造したからであろう。


婦池の流れ込み側


婦池の洪水吐
リール、ルアー、ナイター釣りは禁止


婦池でのヘラブナ釣り(2013年)
「ロープは持ってんの?」
東岸側で釣り台を出そうと苦心していると、地元釣り師に声をかけられた。
婦池は、清水船越堤公園の中にある2つの池のうちのひとつ。もうひとつの夫池と合わせて夫婦池。
へらぶなの数釣りができる池として長く人気を保っており、平日でも釣り人の姿がたえない。南岸側が小高い雑木林の丘になっており、比較的風にも強く、温暖な気候から冬でもウキが動く。
数釣り場と聞いていたので小べらのイメージがあったが、実際に釣ってみるとカタはよかった。冬にもかかわらず浮子も数投で動き始めたものの、なかなかアタリにつながらない。小場所でありながら連日、釣り人が竿を出すので、ふなの方もそうとうな熟練になっているようだ。
釣りスタイルは独特
車路と歩道が別れており、釣り台の出しやすい護岸形状。ただ、柵があるのでやや工夫が必要である。小さい池のわりには水深がある。
冒頭のロープの話。東岸側に入釣する常連は、ロープを使って釣り台を固定する。体重がかかるとロープが釣り台を手前側に引き寄せる。長年の工夫から生まれた手法のようである。
「ロープがないなら、向こう側に入るしかないなあ」と常連さんの示した北岸側に移動して釣り座を構えた。



カタと引きはなかなかのもの
源流の池と「せせらぎの小川」
婦池の上流側は、せせらぎの小川を経て小さな人工池に通じている。この池には管から水が出ていて水源となっていた。水源の出所は不明だが谷戸に近い地形の頭に位置する。
この人工渓流は地形的説得力もあり岩組みの滝や木道もあったり充実している。








施設・設備
駐車場
夫池側と婦池側の二ヶ所にある。
茶屋



広場、アスレチック、すべり台
夫池の上にはひな壇状に広場が。清水の町と富士山の眺望もよい。








星の広場天文台
星の観察会も行われている。ほか北極星がのぞける石など。





最上段の広場
遊歩道




案内板・看板・記念碑


