池伝説のデパート
池端に立つ案内看板に池にまつわる四つの伝説が記されているだけあって、公園化された今も、なかなかのオーラを放つ池である。なんでも水源は池底からの湧水とか。
四つの伝説は一つの伝説のバリエーションではなく、それぞれ池伝説としてタイプが異なるところが興味深い。
田に苗を放置したまま夜を迎えてはならないといった農業教訓めいたものから、全国的に類話の多い椀貸伝説タイプもあれば、池ヌシとして白蛇が出てきたり、はたまた池ヌシが牛だったりと、この小さな池にどれだけ伝説ポテンシャルがあるのかと驚くばかり。
夕べが池自然公園として池周辺が整備され、少年釣り道場としてもうってつけの護岸形状。というより板の土留め護岸は、ほとんど釣り堀といっていいほどの快適性。全周にわたっておかっぱりがしやすく、カバーやストラクチャーも、そこそこある。釣り人にとって快適な護岸と、釣り場としての変化は両立しにくいものだが、これぞ少年釣り道場といったバランス。といっても大人(?)バサーにも攻められまくっているので超ハイプレッシャーな池でもある。
漁協によってヘラブナの放流があり、ヘラブナ釣り師の姿も見られた。おもにブラックバスを対象とした外来魚駆除も地元有志によって行われているが、駆除活動はいろいろな意味で苦労も多く、木曽三川フォーラムの平成25年の駆除活動の報告にはこんな言葉が。
「特定外来魚の捕獲は 夕べが池で1尾釣れただけであった。一般釣り人は釣れていたようであるが、その実態は不明である。釣り実験の準備中にも、外来魚釣り一般人から恫喝される場面もあり、トラブル回避のため一般釣り人との接触は回避した」
人心の廃れを警告するこの池の椀貸伝説が生かされていないのはまことに残念。漁業権が入っているので簡単に釣り禁止にはならないと思うが、このままではリール釣り禁止という事態も覚悟せねばならない。
池の中ほどに市境が通る。つまり岐阜市から見れば辺縁にあたる田園地帯。
雪景色、桜、紅葉と季節によって変化する池の表情も魅力。
釣りは遊漁料が必要。対象魚はフナ、コイ、タナゴ、バス。タナゴの激減は外来魚駆除の大きな動機になっている。ヌートリアも出没。
駐車場、トイレあり。
マークした場所は駐車場。