水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

伝説の夜叉神湖(仮称)(山梨県南アルプス)


荒ぶる神「夜叉神」が創った伝説上の巨大ロストレイク

夜叉神峠の祠の案内板に、伝説上の巨大堰き止め湖(天然ダム)の話が紹介されていた。
平安時代初期の西暦830年7月に、八田山(芦倉山)の山崩れで御勅使川(みだいがわ・旧名:水出川)が堰き止められ堰き止め湖が形成。その湖面は唐松峠の方まで達したとある。
唐松峠と大曽利との標高差が大きいため、湖面標高を1,300mほどに仮定した場合、上の図のような巨大湖になる。最大水深は数百メートル!
伝説は具体的な年月や地名が記されている上、この湖が決壊して甲府盆地を呑み込んだとの話も紹介されている。史実を確かめたい。
この湖を作り災いをもたらしたのが、夜叉神という荒神と信じられていた。ロストレイクの名は夜叉神湖(やしゃじんこ)をおいて他にないだろう。



 

瀬戸千段の滝が崩落跡?

有形文化財になっている芦安堰堤の右岸側にある瀬戸千段の滝は、堰き止め湖を生みだした土砂崩れの痕跡とされている。

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夜叉神峠

夜叉神の祟りを畏れ、御勅使川を見おろす峠に祠を作って祀ったところ、災厄は(かなり)落ち着き、夜叉神は豊穣の神にアップグレードしたという。
夜叉神峠へのアクセスなどは、池山御池の項に記した。

夜叉神峠の案内板

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甲斐地酒・夜叉神

夜叉神峠で荒神を畏れて作られた祠には、甲斐の地酒「夜叉神」のとっくりが置かれていた。
太冠酒造が醸す地酒・夜叉神はパンチのきいた酸味と花の芳香を思わせる風味が特徴ということである。飲んでみたいが、現在はラインナップから落ちてしまっているようだ。


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Googleマップ

マークした場所は芦安堰堤の駐車スペース。瀬戸千段の滝の登山口は道路をはさんで反対側。そちらにも駐車スペースあり。