納得せざるを得ない圧倒的なる卵力。
名前のかわいい卵池。じつは池名としては、ありそうでない名前である。不思議な魅力に惹かれ、会いに行った。
まず国道から分岐する沢伝いの未舗装林道へと入る。後述するがこれがちょっとくせ者でマイカー規制のときは徒歩か自転車、あるいはマイクロバスを使うしかないようだ。
この道を沢伝いに3kmほど進んで行くと三叉の分岐に出る。
左の道を進むと、300mほどで左手に卵池が現れた。
池のほとりには昭和村が建てた「卵池」の標柱も立っているが、特に観光用に整備されているわけでもなく原生林の中にぽつんとたたずんでいる。
流入河川、流出河川がない、くぼ地にできた水たまりのような池で、水は緑色に淀んでいたが、その水中に異様な物体が・・。
この卵池、その名のとおり、上空から見ると卵の形をしている。しかし水辺に近づいてみると、ただの卵形の池ではないということに気づく。
水中にあやしい白い房があちこちに沈んでいるのだ。
葡萄の房よりははるかに大きく、いやがおうにも目をひくこの物体、じつはクロサンショウウオの卵。産卵期は2〜7月。
夜に赤や青でライトアップしたら、未知の遭遇感はハンパではなさそう。深めに沈んでいる卵は、なんかもうぼわあっとして無気味なことこの上なし。
他に卵池では周辺の木々にモリアオガエルが産卵もする。こちらは木々から白い泡みたいなものがぶら下がる。産卵期は5〜7月。
タイミングがよければ、岸には白いものがブラ〜、水中にも白いものがブワ〜、と、ダブルで卵を満喫できそうだ。
この卵池から600mほど下ったところに、冷湖(ひゃっこ)の霊水という湧き水もあるが、こちらは少々暑苦しい卵池と違って清涼感がある。
国道から卵池へと至る未舗装林道は、駒止湿原へのアプローチ路として交通規制が敷かれている日もあるので、出かける際には昭和村のホームページなどで情報を確認していった方がいいだろう。
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