【りゅうがくぼ。竜ヶ窪】
一日で池の水がすべて入れ替わるカワマス生息池。
毎分30トンという豊富な湧水によってできた池。周囲400m、湖面積1.2ha、平均水深1〜2mという中規模の池にもかかわらず、一日で池の水のすべてが入れ替わってしまうほどの水量だという。
この池は新潟県では希少なカワマス繁殖池とされるが、カワマスは本来は北米原産のブルックトラウトのことである。学名に「湧き水」の派生語(Salvelinus fontinalis)が使われているように、清冽な湧水を好み、汚染に弱い。「カワマス」というより「イズミマス」と呼んだ方が実態に近いかもしれない。フライフィッシングの好敵手として、全国のポンド型トラウト管理釣り場では比較的お馴染みの魚でもあるが、日本の法律上は「要注意外来生物」に指定されている。
日本でカワマスの自然繁殖が確認されている湖沼としては、明治35年に国内で初放流された湯ノ湖(栃木県)、上高地明神池(長野県)と龍ヶ窪、可能性として摩周湖(北海道)も挙げられようか。(※周辺河川では繁殖が確認されている)
さすが名水百選にも選ばれている龍ヶ窪は、カワマスにとっても居心地のいい環境だったようだ。
トイレあり。駐車場有料。駐車場から池まで徒歩5分ほど。
池全体が神域として、数々の不思議な伝説が残る。
池へと向かう遊歩道の途中に大きな案内板があり、竜ヶ窪にまつわる4つの伝説が記されていた。いずれも不思議な話だが、泳ぐと死ぬ、勝手に倒木を動かしても元の位置に戻るなど、この池のヌシの霊力の強さを思わせるが、「この池はお前達の美しい心の象徴だ。しかし、人の心の曇るとき、この池は涸れるだろう。」との竜神の言葉がいい。
池の流れ込み側には、竜神をまつった神社が設けられている。
空から見た竜ヶ窪。
水が枯れたことのない竜ヶ窪だが、地形を見ると不思議だ。台地の斜面下にある溝にすぎず、池の下側には平地が広がる。明確な流入河川も見あたらず、水源林の面積も小さい。テーブルトップの台地にしみこんだ水が長い時間をかけて裾にあるこのくぼみに流れ出しているのだろうか。
現在は吐き出し部にコンクリートの水路が設けられているが、もともとは天然湖沼と思われる。
吐き出し側の流路と湿原
吐き出し側にはコンクリートの流路の上に遊歩道の橋がかかっている。水量は豊富で水位調節用のゲートなどは見られず、自然に流れ出すがままの状態。
流れ込み側にある神社
竜ヶ窪の流れ込み側にはせせらぎを渡る石橋の向こうに竜神が祀られている。





駐車場と案内板
駐車場はクルマ、オートバイともに料金設定がある。トイレあり。




Googleマップ
マークした場所は駐車場(協力金設定あり)