水辺遍路

実踏・日本の湖沼 9,200湖

お玉ヶ池(神奈川県箱根)

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入り鉄砲に出女。関所破りと、お玉という少女の悲劇。

元禄十五年(1702年)春、街道の石畳を途方にくれて歩くまだあどけない顔の少女がいた。
江戸の奉公先から逃げて箱根までやって来た。お国の伊豆に行くには関所を越えねばならない。しかし「入り鉄砲に出女」・・江戸幕府は箱根を抜ける女、子どもに厳しい目を光らせていた。人質として江戸に住まわせている外様大名の子女の脱出を防ぐためである。
お玉は、もちろん大名の子女ではない。ただの奉公人だった。

通りすがりの人に聞いたのかもしれない。うら若い女の子である。重い決意というほどでもなかっただろう。彼女は関所裏手の屏風山を抜けようとして捕えられた。子どもとはいえ関所破りの罪は重罪である。
彼女は刑場ではなく捕まった現場にて打ち首となった。哀れに思った者が彼女の首を近くの薺池(なずないけ)で洗った。
以来、この池は誰が言いだすともなく、お玉ヶ池と呼ばれるようになった。

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湿原のようなたたずまいであるが、どこかさびしげな池である。
有名な心霊スポットとされているが、地元なのでよく通るものの、あまり嫌な空気は感じない。
2013年に下界の池はのきなみ大減水していたときも、この池は木道が水没するほど増水していた。
ブルーギルがいるという話もあるが、特に釣り禁止の看板があるわけでもないが、いまだこの池で釣りをしている人は見たことがない。
なお、東京都心部にも同名の池がある。


2015年9月。ひと足早い秋支度。赤とんぼが飛ぶ水面に、鯉の魚影が確認できた。
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2013年初夏の増水時。
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お玉ヶ池(東京都千代田) - 水辺遍路



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