水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

西山ダム(長崎県長崎)

にしやまだむ。西山高部水源池。
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長崎市街地を見おろす、もうひとつの水没ダム。

1.5km南にある本河内高部・低部ダムと同じく長崎市街地を見おろす立地にある。土木遺産的な価値のある古い堰堤を保存しつつ新ダムを追加した点も同じであるが、こちらの方は旧ダムの後ろではなく前に新ダムを造った。
新ダムの天端は旧ダムと同じぐらいなので、満水時にも完全水没することはなく、新旧二つのダムが並ぶめずらしいダム風景となっている。

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新ダムの下にはダム公園。その向こうは市街地。


ダム横には主要県道が走り、ちょうどダムのあたりで長崎バイパス入口。バイパスに入ってしまうとダムを通過してしまうので、側道を選んでアプローチはできるが、市街地からダム左岸側の道を行く方がいい。堰体下のダム下公園には駐車場もある。
意匠も目を惹く。旧堰体のかたわらに立つダム管理所の建物は洋館風だし、遊歩道となっている新ダムの天端を飾るのは、長崎の観光名所グラバー邸を模したという高欄とランプ風照明。

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凝ったデザインの高欄


長崎は市街地を取り巻くように古いダムが点在しており、坂がちの立地とあいまって日本でもここでしか会えない独特の水辺空間が広がっている。狭い道も多いので、坂好きのチャリダーなら愛車で、坂を上るのはいやだという人はスクーターレンタルで水辺めぐりを堪能できるだろう。
西山ダムという名はどこにでもありそうな名ではあるが、同名ダムはいずれも個性的で、高知県の西山ダムは室戸岬では超希少のダムだし、山梨県の西山ダムもとんでもなく長い一本道の先にある秘境ダムとして思いで深い。


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貯水池の上には西洋のお城風のホテル?


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旧堰体の洪水吐は、新ダム建設時に追加されたものか、コンクリートが新しい


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水没ダムノ図


マークした場所はダム下公園の駐車場。


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