水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

川田大池(石川県中能登)

【古墳公園とりや】

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左岸に水上デッキが沿う。

日本トップクラスの「古墳密度」を記念して。

大池のある川田地区は、350基の古墳を有する中能登町のなかでも特に古墳密度が高く、地区内だけで150もの群古墳がひしめく。
地区の誇りであるこれら群体古墳を記念して、大池堰体下の水田を改造して造成されたのが「とりや古墳公園」である。
現役の農業用溜め池でもある大池は、公園の景観・レジャー要素として取り込まれており、堰体にはベンチや貸ボートのりばもある。
特筆すべきは、左岸に沿いインレットで池を横断する500mもの水上ボードウォーク。これは池好きにはたまらない設備だ。右岸側はバーベキュー広場と、池マニアでなくとも楽しめる親水機能も満載。
のびやかで楽しい気持ちさせてくれる池だった。
一方、「川田区」署名の池への立入禁止看板は、公園整備前の純粋な溜め池だったころの名残りであろうか。今やボートのりばもある開かれた池なのに。管理責任が厳しく問われる社会ゆえに、しかたないというべきか。一方、溜め池らしさ(?)の痕跡という意味ではおもしろい。

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溜め池としての取水設備。洪水吐、斜樋、底樋がコンパクトにまとまっている。

展望台のほか、曳山をイメージしたという30mのローラーすべり台バーベキュー場(要予約・有料)もあり、家族連れの姿も多い。
堰体下にあるビジターセンターは前方後円墳のフォルムをかたどったそうだ。
大池の貸ボート営業は土・日・祝日で晴れている日のみ。ローボートのほか、スワンタイプあり。30分100円。
なお、地図等では池名は「大池」となっているが、識別のため地名の川田を冠した。
駐車場、トイレ完備。

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堰体高は一見、2mほどしかないように見えるが、池の規模を考えると小さすぎる。公園造成の際に盛り土によって堰体天端を拡幅、緩斜面化し、スーパー堤防のように防災機能を強めたとも考えられる。

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駐車場と案内板。

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公園の主役のはずの古墳よりも、溜め池である大池の方が主役に見えるところが池萌えポイント。公園名の「とりや」とは何なのか今ひとつ分からないところもミステリアス。古墳公園で有名どころとしては、埼玉県のさきたま古墳公園。そちらの方は古墳公園の中にいかにもな公園池が配されており、古墳公園らしさではまっとうといえる。
bunbun.hatenablog.com


マークした場所は駐車場。