水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

加茂湖(新潟県佐渡)

【かもこ / 越湖】

加茂湖の両津側では岸沿いに民家や商家が並び、各家がそれぞれ小さな船着場をもっていた。伝統的な舟屋が立ち並ぶ一角もある


佐渡汽船のカーフェリーが停泊する両津港(左)と加茂湖(右) 旅館と飲み屋街が海と湖を仕切る細長い土地に密集している

佐渡島で最初に迎えてくれる新潟県最大の湖沼

新潟のフェリーターミナルを出航し、しばしの船旅旅情にひたりつつ佐渡島に上陸すると、最初に出迎えてくれるのが佐渡島のみならず新潟県最大の湖沼、加茂湖である。
港町は日本海と加茂湖にはさまれた細長い町で、港から数分歩けば加茂湖に会える。離島では日本最大の湖沼に最初に迎えてもらえるなんて、この島の池さんぽは心躍らずにいられない。

大佐渡から見た加茂湖(2022)



 

成因は潟湖。しかし人の手で海に開削

もともとは淡水湖だったが明治期に氾濫防止のため海とつなげる工事が行われたという興味深い歴史もある。
下写真は海との通水部近くでSUPをする若者。




 

大きさに対してすごく浅い

加茂湖は湖周17kmもあるのに水深は10mに及ばず、規模に対してはかなり浅い。極端な例をだせば、周囲長が同クラスの田沢湖(秋田県)は水深420mもある。一方、湖沼タイプが加茂湖と同じ潟湖では同クラスの湖山池(鳥取県)も水深10m未満なので、異常なほど浅いというわけでもない。


 

加茂湖の利用

牡蠣養殖と水辺レジャー

かつては漁業も盛んで、舟屋が立ち並ぶ一角も。
現在は牡蠣養殖がさかん。加茂湖特産の牡蠣は11月後半に水揚げの最盛期を迎える。
ほか、アサリ、鯛、シマダイ、サヨリ、ハゼ、ウナギ、コノシロ、ボラ。

シーバス釣り

近年はルアーでのシーバス釣りでも定評があるが、釣り人の多くは美味しい高級魚の宝庫である外海に向かうため、佐渡まで来てわざわざ加茂湖で釣りをしようという人は少数派といえるので、なかなか狙い目と思っているが、広大なだけに、いきなり行くとポイントを絞るのが難しいのも確か。


消防水利

水面が近く水位が安定しているので、湖面からダイレクト取水?
町や生活の場から見ての湖面の近さも加茂湖の魅力。


 

湖岸のようす

東岸

海とは細い陸で隔てられ、この土地に両津の町がある。

東岸から北岸

びっしりと旅館や漁業施設が立ち並ぶ。老舗旅館は庭先にそれぞれ加茂湖に漕ぎ出す船着場を持っている。


北岸から北西岸

漁港、ホテルが岸を占領し、湖を見渡せる場所はあまりない。


西岸から南岸

流れ込みが多く水の透明度が高い。底土には牡蠣殻が多く含まれる。




 

山から見た加茂湖

金北山から

2022年6月撮影。

ドンデン山から

ドンデン山から見おろす加茂湖。



 

湖畔の施設・宿

加茂湖畔の旅館とカモメを呼ぶ「ぼん」

両津の旅館がある通りの裏手がすぐ加茂湖。このあたりは各家の庭が加茂湖を借景にする形になっている。下の写真は「にゃーにゃー」と声を出してウミネコを呼ぶ旅館・金澤屋のご主人。100年を越す歴史と元は遊郭という味わいのある宿だ。5分ほど待つと、ほんとうにウミネコがやって来た。

両津港近くの道の駅

飲み屋街から近いが収容キャパ小さく車中泊向けではない。加茂湖畔の昭和レトロな旅館や観光ホテルを利用して昭和を満喫したい。

bunbun.hatenablog.com

今はなき湖畔の道の駅

両津の港に道の駅ができる前は、加茂湖南岸のこちらが道の駅だった。加茂湖サイクリングには最適な立地だった。


両津の酒場街

湖畔の酒場街というところがじつに素晴らしい。昭和ノスタルジーというより昭和そのものがここにある。お通しの「バイ貝」は佐渡では定番とのことだが、加茂湖で獲れるわけではない。



 

伝説絵本「加茂湖の竜」と押廻干拓

加茂湖には干拓にまつわる竜神伝説がある。
貝喰川(かいばみがわ)にも大蛇伝説あり。



 

地図

池さんぽマップ

2022年10月更新(ver2.05)


bunbun.hatenablog.com

Googleマップ

マークした場所は、道の駅 芸能とトキの里。


 

写真アーカイブス