いづらいけ。
市内に1万3千もの溜め池がひしめき、自治体として堂々全国一位の池の里。
その淡路市内にあって、もっとも池が充実している山田地区は、おのずと全国一の池密スポットといえよう。
山田地区とその周辺を含めたエリアは、小さな平地と中山間部がだんだらに織り上げられた地形で、傾斜がなだらかなことや農家の家も少なくないことから、池の近くに駐車スペースが設けられているケースが多かった。
池をめぐる道も1.5車線路が多く、枝道に入らない限り極端な隘路ではない。
山田地区に隣接する井面池は、斜面と屈曲、農地と山、池と民家といった役者たちが出そろい、絵に描いたような里池の様相を呈しており、心に迫るものがあった。
釣り禁止看板などもなく、「いづらい」という池の名とは裏腹に、長居をしたくなる水辺だった。