観音崎公園。
三浦半島東端に残された砲台跡。
三浦半島ではもっとも東に位置し、東京湾に国内初の洋式灯台である観音埼灯台を差し出す観音崎は、大戦時の砲台跡も残る岬から入り江までの広大な敷地が県立観音崎公園として整備されている。
首都圏を大きく取り巻く環状幹線道である国道16号の終点という立地からか、昔からドライブやオートバイツーリングで訪れる人が多く、博物館、美術館、レストランなどがたち並ぶ。
東京湾を防護する戦時中の要塞と、現代的な美術館やレストランなど瀟洒な建物との取り合わせは、時空の歪みにはまりこんだような不思議な感覚だ。
さて、本題の池の方だが、公園内には「いこいの水辺」「ふれあいの水辺」「水の広場」の三つの池が用意されている。
いこいの水辺とふれあいの水辺は連結しており、公園敷地の中ではかなりはずれの方に位置しているので、駐車場からは坂ありトンネルあり階段ありと、なかなか歩きごたえのある道のりだった。
「いこいの水辺」と「ふれあいの水辺」の二つの池はつながっていて、木製の遊歩橋がかけられている。
池には、メダカ、ヨシノボリなどの魚類、アサザをはじめとした水生植物に、カエル、ゲンゴロウ、トンボ類も生息している。
いこいの水辺に対しては、観音崎公園再生マスタープランの資料では、「走水の池」という名称への改変を検討しているとのことだ。
この池から海にかけての集落は「走水(はしりみず)」という美しい名前をもっている。昨今の公園整備では、「水鳥の池」や「スイレンの池」など、土地の匂いのしないデオドラントネームが全国各所で増えているだけに、「走水の池」のようなネーミングの取り組みは歓迎したい。
なお、現存する「走水水源地(はしりみずすいげんち)」とこの池とは別のもの。
駐車場は土日有料。
マークした場所は駐車場。