びゃくしいけ。
かつてはスケート場としてもにぎわった。
水深がほぼ1m前後という浅く外輪山はなだらかな丘陵状であることから、火口の巣のような霧島連山のなかでは古い火口であることが見てとれる。すぐ近くには2018年現在も噴火警戒がつづく硫黄山が目の前でさかんに煙を上げているが、白紫池はむしろ静謐な穏やかさに包まれている。
今でこそ人もまばらな白紫池だが、1980年代まではスケートを楽しむ人たちで冬場はにぎわったという。
丘陵状の外輪山の最高峰は白鳥山で、その一角から下にある六観音御池とセット眺望が得られ、二湖パノラマ展望所と名付けられた休憩スペースが設けられ、両湖の位置関係や高低差がよく分かる。
有料駐車場のあるえびの高原のビジターセンターから、よく整備された池巡り自然探勝路を歩いていくと20分ほどで分岐にあたる。左を登れば二湖パノラマ展望所を経て白鳥山。右に下っていくとまもなく白紫池の流れ出しに至る。
ここで少し意外だったのは、コンクリート製の堰堤の存在。高さ1mちょっとの小さなものだが中央部に切り欠きがあり洪水吐となっている。流れ出しの先は水路となって下側の六観音御池へと落ちていくようだ。この堤がなければ白紫池の水の多くは流出してしまい、池としては消失の運命をたどっていたことだろう。
岸は堆砂によってビーチ状の汀となっている部分もあり、もはや火口湖の荒々しさをしのばせるものはなく、人の手で延命措置が施された天然湖なのである。
マークした場所は有料駐車場とビジターセンター。