水辺遍路

実踏・日本の湖沼 7,500湖

アザメの溜め池(仮称)( 佐賀県唐津)

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江戸時代にタイムスリップ。感涙モノの池の栓。

松浦川の河川敷に、国土交通省と地域社会とが協働して氾濫原としての湿地を再生させ、水をめぐる生活文化、昔ながらの環境再生をめざして整備され、2017年に土木学会デザイン賞を受けたのがアザメの瀬。
再生氾濫原から少し高くなったところには、環境学習用の棚田と蓮田も造られているが、その水源となっているのが、ここで紹介する溜め池である。
堰体直下は比較的最近に蓮田として整備されたが、溜め池自体はかなり古いものであろうと思われる。
もともと氾濫原が再生された場所は、現在より5mほど高く盛り土された水田だったということなので、それらの田のかんがい用水源として長く使われてきたのだろう。
アザメの瀬の駐車場から道を50mほど上ると池の堰体に出るのでアプローチも容易。
両岸は岩盤になっており、盛り土の堰体よりもはるかに強固そうだ。
堰体の湖面側はコンクリート等の補強はなされておらず、昔ながらの溜め池の姿に思わずうっとり。
そして取水設備に目をやった瞬間、ハートを撃ち抜かれた。
こ、これは・・。まさかアザメの瀬の再生事業で造られたものでもあるまいが、現役で働いている姿は私も見るのは初めてだ。
くわしくはページ下の「池ナビ」で。


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国交省発行のアザメの瀬のパンフレットに、黒マジックペンで気付いたことを記入。ver. 1.1


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左岸側は切り立った岩盤


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右岸側も大きな岩がごろごーろ


 

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目を疑いました。木の棒を突っ込んで栓をしています。
昔の池の栓はみんなそうだったと話では聞いてましたが、現役で使われているものを見るのは初めて。


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しかも階段は石段。コンクリート製ではありません。
そして何といっても、石造りの斜樋! 木の棒が突き刺せるように上部にいくつも穴が開けられ、中が空洞になった石の土管。どうやってくり抜いたんでしょう。アザメの瀬の再生事業に、この池のことは出てきませんが、単なる偶然とも思えません。ぜひこの姿を長く保存してもらいたいものです。


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マークした場所は駐車場