水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

青山ダム(北海道当別)

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堤高35mというと、土盛りのアースダムとしてはかなり立派なものだ。諸説あるものの、奈良県の大門池(現在は重力式コンクリートダムに改築)が平安時代に堤高32mのアースダムとして300年間も世界一高いダムとして君臨していたことを思えば、35mのアースダムはむしろ異様にさえ見えてくる。
当別川を堰く農業用貯水池だが、下流にはるかに大きな当別ダムが完成した今となっては存在感が薄くなったことは否めないが、まったりと大きく弧をを広げる扇形の洪水吐を見れば、北海道のアースダムらしいスケールを痛感できる。
一方で洪水吐まわりの水深はところどころ水面に底が顔を出すぐらいに浅くなっている。増水時に運ばれた砂が堆積したものだろう。
高規格な二車線道路からもダム湖は見えるが、堰体上を通る枝道に入った方がゆっくり池と向き合える。アプローチは容易だし、ときどきクルマやオートバイが通る県道から丸見えなのに、わざわざ枝道で堰体までやって来る人はほとんどいない。この感じは北海道ならでは。

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